
2006年放送の天海祐希主演ドラマ「トップキャスター」(フジテレビ系)は、天海が演じる“スクープ命”のニュースキャスター・椿木春香と、矢田亜希子が演じる“報道素人”の元お天気キャスターで春香のアシスタント・飛鳥望美との奇妙な二人三脚を描いていく。ひとつのニュース番組を舞台にした明るく華やかな作品で、現在、FOD・TVerで見ることができる。他の番組で望美がメインキャスターとして起用される話が持ち上がる第8話を紹介する。 天海祐希の鋭い“先輩節”にシビれてしまうだろう。(以下、ネタバレが含まれます)
■後輩・望美に浮上したキャスター抜擢話を春香が白紙に戻す
「トップキャスター」は、正反対の価値観を持つ春香と望美の物語を中心として、仕事に恋にアツく燃える職場の面々と共に、女性たちのリアルな生きざまを華やかで温かい独自のタッチで紡いでゆく。玉木宏、谷原章介、松下奈緒、松田翔太、生瀬勝久、児玉清ら、豪華キャスト陣のにぎやかさも楽しいドラマだ。
第8話のサブタイトルは「突然のクビ宣言!」。春香は持ち番組の「ザ・ニュース」で、望美の企画した“ふれあいの森売却問題”を取り扱う。市民に何の相談もなく森の売却を決めてしまった市役所に取材に行く。だが、夕方ニュースのキャスターに抜擢される話がある望美は、どこか浮き足立っており、春香は望美にさりげなく注意を向けるのだが、望美には今ひとつ届かない。そして取材後、春香はなぜか、望美に対してキャスターの話は白紙に戻し、当分、自分のアシスタントを続けるよう厳命する。
■取材したばかりの役所で係長が亡くなってしまう
ところが「ザ・ニュース」で“ふれあいの森売却問題”を放送した次の日、役所の係長、山田(渡辺哲)が自殺してしまった。春香は、山田が役所に宛てた遺書メールに疑問を持ち、望美は、自分の企画から死者を出してしまったと落ち込む。
すると、山田の娘・佳奈(伊藤歩)から、春香に会いたいと連絡が入る。佳奈も父親の死に疑問を持っていたのだ。キャスターを目指す望美の夢をつぶそうとしている、と、「ザ・ニュース」スタッフらの反感を浴びながら、春香はこの件の取材を始める。いつもは望美を連れて行く春香だが、望美を取材に連れて行こうとはしなかった。春香は山田の死の真相に迫っていく。
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■春香のマスコミ論が冴える「人の心を材料として思うようになったらおしまい」
物語が進み、第8話までくると天然でかわいらしいお天気キャスターだった望美にも、ニュースキャスターとしての自覚が芽生えてくる。しかし、やはり経験値が足りず、春香からは望美が事件や事故を軽く取り扱おうとすることを見抜かれてしまうのだった。
望美は亡くなった山田のニュースを放送する際、偶然カメラが抑えた“森で子どもが転ぶ映像”を編集で採用しようとしたのだが、それが望美の逆鱗に触れた。マスコミが視聴者に誤解を与えるような映像を放送するのは言語道断、「人の心を材料として思うようになったらおしまい」「報道の人間として最低のことよ」とハッキリと叱って、望美を反省させた。
天海祐希は年下や部下を叱る姿が似合う。この説教によってさらに望美が成長するのは明らかだったし、ダメなところを見て見ぬふりせずに叱ってくれる上司は、まさに“トップ”の風格を感じさせた。

