
監修医師:
勝木 将人(医師)
2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.
脳卒中の概要
脳卒中は、脳内の血管が詰まるか(脳梗塞)、破れること(脳出血)により脳の一部分が機能を失う病気で、発症部位によって異なる症状が現れます。
例えば、右側の脳で発症した場合は、反対側の左半身に麻痺が生じます。また、麻痺だけでなく、脳は右と左で得意分野が異なり、右脳は空間的認知、左脳は言語や行為が得意分野となっています。
そんな、脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3種類にわかれ、それぞれは下記のように異なります。
脳梗塞
脳の血管が詰まり、血流が途絶えることによって、脳組織が壊死する病気です。脳の細胞は、血流が止まると数時間以内に完全に死んでしまい、再生は困難なため、できるだけ早く脳に血流を送ることが重要です。
なお、脳梗塞は脳卒中の中でも最も割合が多く、約60%といわれています。
脳出血
脳内の血管が何らかの原因で破れて出血し、周囲の脳組織にダメージを与える病気です。脳出血で出血した血液は、しばらくすると血腫となり、さらに時間が進むと脳にむくみが生じます。
くも膜下出血
くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間に存在する血管が切れて起こる病気のことで、多くは脳動脈瘤と言われる血管のふくらみが、ある日突然破裂することによって起こります。
脳卒中の原因
脳卒中を生じる原因も、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血によって原因は異なります。
脳梗塞の原因
脳梗塞は、下記のような原因で、脳内の血管が詰まることによって発生します。
・動脈硬化
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの状態が続くと、血管に負荷がかかり、血管の内側が傷付いて、プラークと呼ばれるお粥のような柔らかい沈着物がたまります。
プラークがたまると内膜が厚くなり、本来弾力性のある血管が固くなります。このような血管の状態を動脈硬化といいます。
動脈硬化になり、血液の通り道が狭くなると、その部位に血栓ができやすくなり、脳の血管を塞いでしまい脳梗塞を発症します。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの生活習慣病により動脈硬化が進行し、血管が狭くなったり詰まったりすることで脳への血流が阻害されます。
・心房細動
心臓は、一定のリズムで血液を送り出していますが、このリズムが崩れて、心臓内の部屋が小刻みに震えて痙攣し、うまくはたらかなくなってしまう心臓の病気を心房細動といいます。
心房細動になると、心臓の中で血液がたまり、固まりやすくなって徐々に大きな血栓という血の塊が作られ、何かの拍子でこの血栓がはがれて、血流に乗って脳に運ばれると脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起こします。
脳出血の原因
脳出血の最大の原因は、高血圧です。 高血圧は生活習慣病の1つで、塩分の取りすぎ、喫煙、過度の飲酒、運動不足、ストレス、肥満などが原因で生じます。
高血圧は血管内の血流が強い状態です。そのため、持続的に高血圧の状態になると、血管に負担がかかり続けた結果、脳内の血管が破裂し、脳出血を引き起こします。

