北海道砂川市の要請を受けて出動したハンターが、猟銃所持許可を不当に取り消されたとして、処分の撤回を求めた訴訟の弁論が2月27日、最高裁で開かれた。
原告は、地元猟友会支部長池上治男さん(76)。市の依頼でクマを駆除した後、猟銃所持許可を取り消され、2018年以降、7年間にわたり猟銃を持つことができていない。
処分の正当性について、最高裁がどのような判断を示すのかが注目されている。
弁論後、弁護団の一員で行政法研究者の平裕介弁護士は「最高裁が池上さんを勝たせる判決を書くことは間違いない。9割5分、破棄判決で勝つことは明らか」と述べ、逆転判決への強い期待を示した。
●池上さんの敗訴判決見直しの可能性
池上さんは砂川市からの依頼を受け、猟銃でヒグマを駆除した。現場には警察官や市職員も立ち会っていたが、当時は特に問題視されなかった。
しかし、その後、銃刀法違反の疑いで取り調べを受けて(不起訴処分)、猟銃所持許可を取り消された。
1審の札幌地裁は処分を違法と判断したが、2審の札幌高裁はこれを覆し、処分は違法でないと判断。池上さん側が上告していた。
最高裁が弁論を開いたことから、高裁判決が見直される可能性があるとみられている。
●池上さん「私1人の問題じゃない」
弁論を終えた池上さんは、司法記者クラブで会見し「私1人の問題じゃない。猟友会全体の問題。各地で最高裁の判決を注視しています」と話した。
さらに「この判断がまかりとおれば、ハンターにとっても不幸です。住民の方にとっても不幸です。みなさんの問題でもあると言っておきたい」とうったえた。
弁護団の中村憲昭弁護士は「池上さんは公益的な活動に参加し、駆除したのに、鉄砲を取り上げられた」「控訴審判決の判断の結果、全国の有害鳥獣駆除の現場には萎縮の影響が出ている」と述べた。
中村弁護士のもとには「免許取り消しが怖くて現場で撃てない」というハンターからの声も寄せられているという。
「現場の有害駆除の現場で安心して撃てるような何らかの指針を示してもらいたい。すみやかに池上さんに銃を返してほしい。最高裁には、破棄差戻しでなく、破棄自判の判決としてほしい」

