夫の一言が、胸に刺さった
夜、仕事から帰宅した夫の照也に、今日の出来事を話しました。
「……それで、尚子さんはなんて?」
「『対策してないのも悪いよね』って。弁償の話は、一言も出なかった」
照也の表情が、はっきりと険しくなります。普段は私以上に温厚で、滅多に怒らない人です。
「それはおかしいよ。子どもがやったことでも、親には責任がある。しかも、自分の家から持ってきたおもちゃで壊したんだろ?」
「でも……同じ学区だし、小学校も一緒になるかもしれない。強く言って、揉めるのは怖くて……」
私がそう言うと、照也はそっと肩を抱きました。
「美智が優しいのは知ってる。でもね、これは“優しさ”じゃない。“泣き寝入り”だよ。僕が間に入る。きちんと話をしよう」
夫のまっすぐな言葉に、私は小さく頷くことしかできませんでした。
あとがき:“お互い様”という便利な逃げ道
壊した側が口にする「お互い様」という言葉ほど、理不尽に響くものはありません。非を認めず責任をぼかす尚子の態度に、怒るより先に言葉を失う美智の気持ちは、とても現実的です。それでも夫の「それは優しさじゃない」という一言が、立ち止まっていた心に小さな光を灯した回でした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

