ある春の日、娘2人と公園に立ち寄ったときのこと。普段はあまり人けのない公園ですが、その日はじっとベンチに座ったままの男性が目につきます。しかし、公園に遊びに来た小学生男子の1人がトイレに向かうと男性は腰を上げ、後を追うようにトイレへ。ママが男の子の友だちと共に助けに行くと、そこにはトイレの個室の前にたたずむ男性の姿があったのです。
ママたちの存在に気づいた男性は公園から立ち去り、後を追われた男の子に被害もなかったことから警察への通報はせずに帰路につきますが、自宅までの道すがら、ママと娘は例の男性と鉢合わせしてしまいます。
危険を感じたママはとっさに目の前の谷口さん宅の玄関チャイムを押しますが、応答を待つ間に男性が目の前に……。
しかし、長女のレナちゃんが「公園にいたおじさんだよ!」と声を上げたタイミングで、ついにチャイムに応答があると、男は不審な笑みを浮かべながら去っていったのです。
しぼり出すように「大丈夫」と口にしたけれど…



















谷口さんから助言を受け、相談ダイヤルに電話をかけたママ……。
それからしばらくは近所を巡回するパトカーを目にしましたが、それでも不安は拭えず、人通りの多い道を通るようになったのでした。
谷口さんがママに教えてくれた「相談ダイヤル」とは、警察相談専用電話「#9110」番を指していると思われます。よく知られている「110番」はすぐに警察に駆けつけてもらいたいような緊急の事件・事故を受け付ける番号ですが、一方の「#9110」は犯罪や事故に当たるかわからないものの、警察に相談したいことがある場合にかける番号です。
後を追われた男の子に何かしらの被害があったとしたら、ママも即座に110番通報をしたことでしょう。しかし、何の被害もないとなれば、ためらいが生まれるのも仕方のないこと。そうした場合でも相談ダイヤルに電話をかけることができれば、地域の安全につながるだけでなく、「今後、事件に発展したらどうしよう……」という不安の軽減にもつながるはずです。
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著者:マンガ家・イラストレーター ままぽぽ

