年齢とともに目立つ「くせじわ」や「輪郭じわ」。ヒアルロン酸注入は即効性があり人気ですが、「効果はどのくらい続くの?」と気になる人も多いはず。持続期間や注意点について、もこスキンクリニック吉祥寺本院の高畠先生に聞きました。
※2025年11月取材。

監修医師:
高畠 唯(もこスキンクリニック吉祥寺本院)
国立香川大学医学部医学科を卒業後、社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院、高松赤十字病院、香川大学医学部附属病院にて、幅広い臨床経験を積む。その後、大手美容クリニックでの勤務を経て、2022年に西荻窪(東京)で皮膚科を開院。2025年に吉祥寺(東京)へ移転した。ボトックスビスタ認定医、ジュビダームビスタ認定医、日本美容皮膚科学会。
くせじわや輪郭じわとは? 治療法は?
編集部
そもそも「くせじわ」とはどのようなしわですか?
高畠先生
くせじわとは、表情の動きや日常的なクセによって繰り返し同じ場所に力がかかり、皮膚に折り目のようなラインが刻まれてしまうタイプのしわのことをいいます。代表的なのは眉間や口元、目尻のしわです。
編集部
「輪郭じわ」についても教えてください。
高畠先生
輪郭じわは、加齢による皮膚のたるみや脂肪の下垂が原因で生じるしわです。フェイスラインがぼやける、ほうれい線が目立つ、マリオネットライン(口角下のしわ)がくっきりするなどの変化が見られます。
編集部
くせじわや輪郭じわの治療には、どのような方法がありますか?
高畠先生
しわの治療は、原因や深さによって方法が異なります。表情の動きによってできる浅い表情じわには、筋肉の緊張を和らげるボトックス注射が効果的です。一方、加齢による皮膚のハリやボリュームの低下で生じる輪郭じわには、ヒアルロン酸注入が適しています。また、ケミカルピーリングの一種である「コラーゲンピール」という治療法もあります。これは肌内部のコラーゲン再生を促し、ハリと弾力を取り戻す治療です。
編集部
そのほかにどのような治療法がありますか?
高畠先生
最近は、質感や持続性が大きく向上したヒアルロン酸製剤が使われるようになり、より自然で長持ちする仕上がりが期待できます。しわが深く刻まれている場合は、ボトックスに加えて、コラーゲンやエラスチンの生成を促す高周波治療(RF)を併用すると、より自然な若返り効果が得られます。さらに、たるみが原因となっているケースでは、HIFU(高密度焦点式超音波)によるリフトアップ治療を組み合わせることもあります。
編集部
ヒアルロン酸注入は、どんな人に向いていますか?
高畠先生
しわの深さが中等度から重度で、肌の弾力が低下してきた人に向いています。また、外科的な手術に抵抗がある人や、自然な若返りを望む人にも人気です。注入直後からハリが出て、メイクで隠しきれなかった溝やたるみを改善できる点が大きな魅力です。最近では「予防的ヒアルロン酸注入」として、深いしわになる前に軽く入れておく人も増えています。
なぜ、ヒアルロン酸注入が効くのか?
編集部
そもそもヒアルロン酸とはなんですか?
高畠先生
ヒアルロン酸とは、もともと人の皮膚や関節に存在し、水分を抱え込む力に優れている成分のことです。
編集部
ヒアルロン酸注入の目的はなんですか?
高畠先生
ヒアルロン酸治療の目的は、単にしわを埋めるだけでなく、加齢によって失われたボリュームを骨格レベルで補うことです。若い頃と今の顔が違うのは皮膚だけでなく、その下にある脂肪や骨までもが痩せてしまったためです。ヒアルロン酸は、その失われた部分を補うことで肌を支える土台そのものを、もう一度作り直します。つまり、ヒアルロン酸を注入することで、顔全体のバランスを再構築することもできるのです。
編集部
ヒアルロン酸にもいろいろな種類があるのですか?
高畠先生
はい、製剤によって粒子の大きさや硬さ、持続期間が異なります。たとえば、目元など皮膚が薄い部分には柔らかいタイプを、フェイスラインや顎などボリューム形成が必要な部位には硬めのタイプを使用します。医師が部位や目的に合わせて適切な種類を選ぶことで、ナチュラルな仕上がりと持続性の両立が可能になります。
編集部
ヒアルロン酸は自然に体内に吸収されると聞きますが、安全性はどうですか?
高畠先生
ヒアルロン酸は体内にもともと存在する物質のため、アレルギー反応は非常に少なく、安全性が高いとされています。時間が経つと酵素によって徐々に分解・吸収されるため、永久に残ることもほぼありません。また、万が一仕上がりが気に入らない場合は「ヒアルロニダーゼ」という分解酵素で溶かすこともできます。このように、修正が可能である点も人気の理由です。

