「白内障を予防する」には何の対策を行えばよい?予防法を解説!【医師監修】

「白内障を予防する」には何の対策を行えばよい?予防法を解説!【医師監修】

白内障の発症や進行を遅らせるためには、日常生活での予防的アプローチが重要です。紫外線対策や適切な栄養摂取、生活習慣の改善により、白内障のリスクを軽減することができます。予防可能な生活習慣について具体的に学び、実践していきましょう。

花房 彩

監修医師:
花房 彩(医師)

【経歴】
2013年埼玉医科大学卒業。卒後、埼玉医科大学病院にて初期研修を行い、同院眼科に入局。
2019年より行定病院、2022年より小江戸眼科内科、2025年よりくらかず眼科に就職。
【資格】
日本眼科学会 眼科専門医

白内障予防と早期発見のための生活習慣

白内障の発症や進行を遅らせるためには、適切な生活習慣の維持が重要です。予防的アプローチについて詳しく解説します。

紫外線対策と眼の保護

紫外線は白内障の重要な危険因子の一つです。長期間の紫外線曝露により、水晶体内のタンパク質が変性し、濁りの原因となることが知られています。適切な紫外線対策により、白内障のリスクを軽減することができます。
日常生活では、UVカット機能付きのサングラスや帽子の着用が効果的です。特に、UVAおよびUVBを99%以上カットするサングラスの使用が推奨されます。色の濃さよりも、UV遮断率の高さが重要であることを理解しておくことが大切です。
屋外活動の時間帯も考慮が必要です。紫外線量が多くなる午前10時から午後4時の時間帯には、特に注意深い紫外線対策が必要です。また、雪面や水面、砂浜などでは紫外線の反射により曝露量が増加するため、これらの環境では十分な保護が必要です。
室内でも、窓際での作業時には紫外線の影響を受ける可能性があります。UVカットフィルムの使用や、窓から離れた位置での作業を心がけることも予防に役立ちます。

栄養と生活習慣による予防効果

適切な栄養摂取は、白内障の予防に重要な役割を果たします。抗酸化物質を豊富に含む食品の摂取により、水晶体の酸化ストレスを軽減し、白内障の発症リスクを下げることが期待されます。
ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、水晶体の透明性維持に重要な役割を果たします。柑橘類、いちご、ブロッコリー、ピーマンなどに豊富に含まれており、継続的な摂取が推奨されます。研究により、ビタミンCの十分な摂取は白内障リスクの軽減と関連することが示されています。
ビタミンEも重要な抗酸化物質です。植物油、ナッツ類、種子類に多く含まれており、細胞膜の酸化を防ぐ働きがあります。ルテインとゼアキサンチンは、緑黄色野菜に含まれるカロテノイドで、眼の健康維持に特に重要とされています。
喫煙は白内障の重要な危険因子であり、禁煙は予防の重要な要素です。喫煙により身体内の酸化ストレスが増加し、水晶体の濁りが促進されることが知られています。また、過度の飲酒も白内障のリスクを高めるため、適量を心がけることが大切です。

まとめ

紫外線対策としてUVカット機能付きサングラスの着用、ビタミンCやEなどの抗酸化物質の摂取、禁煙や適度な飲酒などの生活習慣改善が白内障予防に効果的です。特に喫煙は重要な危険因子であり、禁煙による予防効果は大きいとされています。日常的な予防策の実践により発症リスクの軽減が期待できます。

参考文献

白内障手術におけるDPCによる包括支払制度の評価

科学的根拠(evidence)に基づく白内障ガイドライン策定に関する研究

多焦点眼内レンズとの付き合い方

配信元: Medical DOC

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