●父親は母親の仕送りを止められる?
──母親が無断で、長期間にわたり高額な仕送りを続けていた場合、父親は今後の仕送りを止めることができるのでしょうか。
この点は、
(1)子に対する扶養義務があるか
(2)扶養義務がある場合でも、必要な範囲を超えた仕送りであるか
を検討することになります。
たとえば、親の生活水準を著しく下げてまで高額な仕送りをしている場合には、扶養義務の範囲を超えていると評価される余地があります。
まずは夫婦間で家計の使途について話し合うことが基本ですが、もし話がつかないようであれば、家庭裁判所に調停を申し立てることも考えられます。
●「仕送り返してほしい」は可能?
──父親は、母親に対して金銭の返還を求めるなど、法的責任を追及できるのでしょうか。
10年以上にわたり数千万円規模の仕送りをしていた場合に、返還請求や、民事・刑事責任を追及できるかという点ですが、一般的には難しいように思います。
収入状況の詳細はわかりませんが、長期間にわたり高額な仕送りをしていたことに気づかなかったという事情からすると、父親が金銭管理を母親に委ねていた可能性が高いでしょう。
仮に母親がギャンブルや自身の浪費のために使っていたのであれば別ですが、夫婦の子どもへの仕送りとして支出していた場合、違法性を基礎づけるのは難しく、責任を追及できるのはかなり例外的なケースに限られると考えられます。
【取材協力弁護士】
田村 ゆかり(たむら・ゆかり)弁護士
経営革新等支援機関。沖縄弁護士会破産・民事再生等に関する特別委員会委員。
事務所名:でいご法律事務所
事務所URL:https://deigo-law.jp

