忍び寄る「インフォスティーラー」の脅威
クッキーを盗む主な犯人は、「インフォスティーラー(情報窃取型マルウェア)」と呼ばれる悪意のあるプログラムです。NordVPNの今回の調査では、38種類ものマルウェアが確認されており、これは前年の3倍以上の数です。
「Redline」や「Vidar」といった比較的よく知られているものから、日々進化する新型まで、その手口は巧妙化しています。これらは、海賊版ソフトウェアや偽のダウンロードサイト、フィッシングリンクなどに隠されており、一度デバイスに侵入すると、誰にも気付かれずにブラウザーからクッキーや保存されたパスワード、自動入力データなどを根こそぎ盗み出します。
安全なクッキー活用のための「デジタル習慣」
クッキーによる被害を防ぐためには、高度な知識よりも、日常的な「デジタル衛生管理」が重要です。ブリエディスさんは、次の5つの対策を推奨しています。
(1)定期的にサイトデータを削除する
「ブラウザーを閉じただけでは、ログイン状態(セッション)は有効なまま残ります。クッキーが残っている限り、その『ドア』は開いたままなのです」とブリエディスさんは指摘します。定期的にブラウザーの設定からクッキーやキャッシュを削除しましょう。
(2)安易にファイルをダウンロードしない
「無料ツール」や「非公式の修正パッチ」などを装ったマルウェアが急増しています。信頼できる公式サイト以外からのダウンロードは避け、セキュリティー警告が出た場合は無視せず、操作を中断してください。
(3)OSやブラウザーを常に最新にする
ソフトウェアを最新版にアップデートすることで、マルウェアの侵入経路となる「脆弱(ぜいじゃく)性」を塞ぐことができます。
(4)多要素認証(MFA)を併用する
クッキーが盗まれるとMFAも突破されるリスクがありますが、それでもMFAを設定しておくことは基本の防御として不可欠です。
(5)セキュリティーツールの活用
悪意のあるサイトをブロックし、ダウンロードファイルを自動スキャンする機能(NordVPNの脅威対策Proなど)を活用することで、インフォスティーラーの侵入を未然に防ぐことができます。
「クッキー窃取は非常にテクニカルな問題に聞こえるかもしれませんが、防護策はシンプルです。強いパスワードを使い、多要素認証を有効にし、そして何よりオンラインで常に警戒を怠らないこと。このわずかな時間の投資が、あなたを大きな脅威から守ることにつながります」とブリエディスさんは締めくくります。
便利なオンライン生活を楽しみ続けるために、まずは自分のブラウザーの「クッキー管理」を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
