毎日ドリル 脳トレクイズに挑戦
「家に残る…」避難を拒む認知症の祖母。豪雨の夜に見せた信じられない底力とは【体験談】

「家に残る…」避難を拒む認知症の祖母。豪雨の夜に見せた信じられない底力とは【体験談】

火事場の馬鹿力。これは、火事のときに非常に大きな力を発揮して重いものを持ち出したりすることから生まれた言葉だそうで、切迫した状況に置かれたときに、普段では想像もできないような力を発揮することがあるという意味で使われます。今回は私が、祖母の火事場の馬鹿力を見たときの話です。

床上浸水の起こる地域に住む祖母

私の祖母は左半身にまひがあって、もともとあまり動きがいいとはいえない上に、膝も痛めており、普段力仕事をすることはほとんどありません。それどころか、認知症が始まっていたこともあり、普段の生活では必要最低限の動きしかしなかったという印象です。私が物心ついたときにはすでにそんな感じだったので、私は、祖母はあまり動かない人なのだという印象がありました。

そんな祖母が住む場所は、昔から何度も浸水の被害がある土地です。とはいっても、鉄砲水のように一気に水が襲ってくるようなことはなく、徐々に水位が上がっていくような感じで被害が広がるという地域でした。近所の方に聞いた話では、細い川や用水路があちこちに伸びているのが原因だそうで、何日も大量に雨が降ると水を流し切れなくなって、周囲にあふれていくのだと言います。祖母の家も何度か床上にまで浸水があったそうで、よく見ると、今でも家の柱に水の跡らしきものが残っています。

ある集中豪雨の年のこと

何日も豪雨が続いたある日のことです。祖母の住む家の辺りは普段に比べてやや強い程度の雨が続いていたのですが、山のほうはかなりの豪雨だったらしく、少し離れたところにある大きな川は見るからに増水していて、しかもまっ茶色に濁っており、荒れていました。

その大きな川にはアンダーパスが通っていて、川が増水すると、まずそのアンダーパスが通行止めになります。その日もすでにアンダーパスは通行止めとなっており、その周辺地域には避難警報が出ているところもありました。隣の市に住む母は祖母に「浸水してからでは逃げられない。何日も雨が降っているし、心配だから家に避難しないか」と何度も声をかけるのですが、祖母は「私は家に残る」とがんとして譲りませんでした。

とはいえ、体が不自由な上、当時は携帯電話すら持っていない祖母をひとりで置いておくのも心配で、非常食などを用意し、母が祖母宅に泊まることになりました。私はちょうどその日、祖母宅の近くの別の市で仕事があったのですが、帰り道、アンダーパス付近の川の状況があまりにも荒れてひどかったので、一応祖母宅に寄ることにしました。そこで、私は驚きの光景を見たのです。

配信元: 介護カレンダー

提供元

プロフィール画像

介護カレンダー

「介護」は、必要になる年齢も、その期間も、人によってさまざま、先が見えません。そしてそれは突然やって来ます。特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き齢者住宅など、名前を聞いたことはあるけれど、いざ入居の検討を始めるとなると、わからないことばかりで、なかなか先に進めません。介護カレンダーは、そんな「介護に対する不安」をおもちのかたに向けた情報サイトです。