
娘の習いごとで出会った、親友の父親。一見すると穏やかで子煩悩に見える人物だったが、駅での待ち伏せや突然のボディタッチ、「…まるで俺たち夫婦みたいですね」と距離を詰めてくる発言など、不気味な言動が次第にエスカレートしていく——。Instagram(@negimayo3)やブログ「ここはネギマヨ荘」で活動する二人組クリエイター・ネギマヨさんが描く「助けて!娘の友達のお父さんに粘着されています!」は、日常のすぐそばに潜む恐怖をホラードラマのように描き、多くの読者に衝撃を与えている。
■優しそうな父親が“粘着者”へ…実体験から生まれた恐怖の物語



本作は、ネギさんが原作を担当し、普段とは逆の制作体制で描かれた人気エピソードだ。いきなり手を握ったり、下の名前で呼び始めたりと理解しがたい行動を見せるママ友の夫「クズオ」。ネギさんは「仲良くしているママ友の実体験が元になっているんですが、お互いの奥さん・旦那さんと面識あるのに『二人で会おう』と言ってくる人がいるんだと初めて聞いたとき衝撃を受けました」と振り返り、主婦系トラブル漫画に挑戦しようとしたタイミングで許可を得て制作したと明かす。日常の延長線上にある違和感が、徐々に恐怖へと変わっていく展開が印象的だ。
■絵柄の変化が生んだ“じわじわ来る不気味さ”
序盤はあっさりとしたタッチで始まりながら、物語が進むにつれて不穏さが濃くなっていく演出も特徴のひとつ。マヨさんは「実はあっさりした絵柄にあこがれていて、すごく意識して頑張って描いたんですけど、濃い絵に戻ってしまいました。また、描き始めた最初は最後のストーリーを聞いていなかったので、こんなに気持ち悪く描いて大丈夫かな…と心配でした」と語り、制作過程の試行錯誤を明かしている。
担当を入れ替えたことで互いの苦労を実感したというネギさんも、「実体験を元にしているとはいえ、脚色をいれて話を矛盾しないように組み立てているので頭を使うんだなと…」と制作の裏側を語った。
■“クズオ”の暴走と、変化していく人間関係のドラマ性
作品の中でも印象的なのは、クズオの行動がエスカレートし、周囲の家庭関係まで巻き込んでいく場面だという。マヨさんは「娘の友達のお父さん・クズオが大暴れしているときは楽しかったです。クズオの親の気持ちで親を描いてました」と語り、キャラクターの内面に踏み込んで制作したことを明かす。
一方でネギさんは「早くクズオが成敗されてほしくて、クズオが追い詰められるところは力が入りました(笑)。あと、クズオの妻であるユリがだんだんと成長していく姿は丁寧に描いたつもりですが、読者のみなさまも温かく応援してくれてうれしかったです」と話し、読者との共鳴を実感している様子だった。身近な関係だからこそ逃げ場がない――そんな心理的な怖さをドラマチックに描いた本作は、日常ホラーとして強い存在感を放っている。
取材協力:ネギマヨ(@negimayo3)
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