
韓国・中国ドラマの人気ジャンルの一つが“ロマンス時代劇”。華やかな衣装と絢爛豪華なセット、身分違いの恋や宮廷の陰謀が運命の恋をドラマチックに演出する王道ジャンルの一つだ。中でもファンの多い話題作2作が、3月の「Jテレ」に登場! ディズニー映画実写版「ムーラン」のトップ女優リウ・イーフェイが芯の強いヒロインを演じた中国の大型ロマンス時代劇「夢華録(むかろく)」(2022年)、実力派女優シン・ヘソンが現代のプレイボーイに体を乗っ取られる王妃を演じた大ヒットラブコメ時代劇「哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?~」(2020-2021年)に注目する。
■リウ・イーフェイ16年ぶりドラマ復帰作 大ヒットロマンス時代劇「夢華録」
3月2日(月)に「Jテレ」でスタートする「夢華録」(毎週月曜~金曜昼3:00-4:00)は、中国の2022年No.1ヒットロマンス時代劇。ディズニーの実写版「ムーラン」で剣術に長けたヒロイン・ムーランを演じた国際派女優リウ・イーフェイが16年ぶりのドラマ復帰で波乱の人生を歩むヒロインを、中国の大ヒット時代劇「月に咲く花の如く」(2017年)のチェン・シャオが宮廷秘密警察のエリートを演じている。
時代は北宋(ほくそう)。杭州で茶坊を営む趙盼児(ちょうふんじ/リウ・イーフェイ)は、婚約者が高官の娘と結婚すると知り、突然の裏切りに衝撃を受ける。彼の本意を確かめようと都に向かう道中、夫に捨てられ息子を奪われた親友の孫三娘(そんさんじょう/リウ・イエン)がこの旅に加わる。さらに、妹のように可愛がってきた枇杷奏者の宋引章(そういんしょう/リン・ユン)が結婚詐欺でひどい目に遭っていると知り、助けに向かう。
そんな盼児の頼もしい味方となったのが、なりゆきで道連れとなった皇城司のエリート武官・顧千帆(こせんはん/チェン・シャオ)だった。彼はある事件を調べるうちに敵の罠にはまり、追われる身となっていた。それぞれの目的のため都を目指す2人は、さまざまな危機を乗り越えるうち、特別な絆で結ばれていく――。

■不器用なロマンスにキュン…1話あたりの再生数は驚異の1.427億回超え
本作のヒロイン・盼児は、父が罪を犯したせいで幼い頃に“賤民”とされ、妓楼で働いていた過去を持つ。身分を回復してからは親友で菓子作り名手の三娘と仲良く茶屋を経営している。盼児の茶と三娘の菓子が人気で、茶屋は盛況。「私は元賤民だけど、それは天命で、私の罪ではない。良民になった後は堅実に商いをしている」と胸を張って生きる、芯の強い女性だ。
一方、千帆は人々から“生き閻魔”と恐れられる宮廷秘密警察のエリート。冷酷で融通の利かない千帆と自立心の強い盼児は初めこそ反発し合うが、スリリングな陰謀に巻き込まれ危機を乗り越えるうち、強く惹かれ合っていく。
だが意地っ張りの盼児と不器用な千帆は、なかなか恋に踏み出せない。そんなもどかしさを繊細な眼差しや仕草で表現したイーフェイとシャオのケミストリーが視聴者を魅了し、本作は1話あたりの再生数1.427億回超えという驚異のヒットぶりを記録した。

さらに後半は不器用な千帆が“デレ”に転じ、甘いキスシーンのオンパレード! 千帆が口にする「心配するな。血にまみれることには慣れている。…ただ、今は少し違う。きみという心配事が増えた」「きみが好きだ。身分の違いも、血にまみれた日々を送る私には無意味だ」という愛の言葉にキュンが止まらない、怒涛の純愛ロマンスへとなだれ込んでいく。
ロマンス、スリリングな宮廷の陰謀サスペンスなど見どころ多い本作。勇敢なヒロイン・盼児が数々のピンチを切り抜け悪を懲らしめる爽快感、そして盼児と親友2人が逞しく自立していく姿にも共感必至の一作だ。


■現代の“女たらし”が朝鮮時代の王の妃に!「哲仁王后~俺がクイーン!?~」あらすじ
「Jテレ」で3月16日(月)から放送される韓国のラブコメ時代劇「哲仁王后~俺がクイーン!?~」(毎週月曜~木曜夜10:00~11:00)は、ユニークな設定がクセになるラブコメ作品。「サムダルリへようこそ」「30だけど17です」で知られる“国民の娘”シン・ヘソン、「愛の不時着」の詐欺師ク・スンジュン役で大ブレイクしたキム・ジョンヒョンの共演作として韓国では放送前から話題を呼び、最高視聴率17.4%を叩き出した大ヒット作だ。
時は現代、大統領官邸でシェフを務めるチャン・ボンファン(チェ・ジニョク)は、自信満々で超のつく女たらし。飛ぶ鳥を落とす勢いだったある日、何者かの策略で一夜にして汚職事件の容疑者にされてしまう。

なんとか逃げようと、ベランダからプールに落ちて気を失ってしまうボンファン。夢の中で韓服姿の女性とキスをして目を覚ますと、そこはなんと朝鮮時代の王宮。自分の魂が婚礼を目前に控えた王后キム・ソヨン(シン・ヘソン)に入ってしまったことを知ったボンファンは、大混乱。なんとか状況を把握し、初夜の儀式だけでも避けようと結婚相手である王・哲宗(キム・ジョンヒョン)に「俺は男なんだ」と告白するが――。
■ソヨン(=ボンファン)と哲宗の間に芽生える不思議な絆
本作の見どころはなんと言っても、“朝鮮時代の淑女”ソヨンの体に入り込んだ“現代の女たらし”ボンファンが、“堅物の王”哲宗を相手に繰り広げる奇妙な新婚生活の面白さ。
中国で爆発的人気を呼んだウェブドラマ「太子妃 狂想曲<ラプソディ>」から“現代のチャラ男がタイムスリップして王妃になる”という設定をリメイク。キャラクターを実在の朝鮮時代の王・哲宗とその正妻・哲仁王后に置き換えたことで、完成度の高いラブコメに仕上がっている。韓国語は男女とも同じ一人称を使い、言葉づかいにも違いがあまりないため、俺様キャラなボンファンの発言が高貴な身分のソヨンの言葉として王宮の人々に案外すんなり受け入れられてしまうのも面白ポイントだ。

大臣たちの言いなりだった哲宗は、そんなソヨンの言動に気を悪くするどころか好感を抱くように…。やがてソヨンの皮をかぶったボンファンと孤独な哲宗の間に、友情とも恋愛感情ともつかない不思議な絆が芽生えていく。
■韓国でも絶賛された“国民の娘”シン・ヘソンの神がかり演技
注目は、シン・ヘソンの神がかり的な演技力。しかめっ面で言葉づかいも乱暴、床にゴロンと寝転んだり、ガバッと股を広げて座ったり、ガサツな言動はボンファンそのもの。物静かな深窓令嬢である本来のソヨンと、他人の目を一切気にせず心の赴くまま我が道を行くボンファンの豪快キャラの実質2役を鮮やかに演じ分けている。
そんなソヨンの言動にボンファン役のチェ・ジニョクが発する“心の声”がシンクロし、気づけばソヨンの顔までボンファンに見えてくる。韓国での放送時には、視聴者から「シン・ヘソンの演技がすごすぎて男にしか見えない」「なんであんな演技ができるの?」「シン・ヘソンをこの役にキャスティングした人天才!」の声でにぎわったほどだ。

キム・ジョンヒョン演じる王が、拒絶されればされるほどソヨンに想いを寄せる姿もいじらしい本作。「初恋DOGs」(2025年、TBS系)で日本でも人気を集めたナ・イヌがソヨンに想いを寄せる従兄役で登場し、さらにストーリーをかき乱している。
芯の強いヒロインと不器用なエリート武官の甘いロマンスがたまらない「夢華録」、男勝りを越えて本当に“中身が男”のヒロインのドタバタが楽しい「哲仁王后~俺がクイーン!?~」。ともに、無敵ヒロインの魅力弾ける快作だ。
◆文=酒寄美智子


