白内障手術による視力改善は、読書や細かい作業から社会参加まで、患者さんの生活の質に大きな向上をもたらします。具体的にどのような改善が期待できるのか、また心理的な好影響についても詳しく解説します。術後の豊かな生活をイメージしていただきましょう。

監修医師:
花房 彩(医師)
2013年埼玉医科大学卒業。卒後、埼玉医科大学病院にて初期研修を行い、同院眼科に入局。
2019年より行定病院、2022年より小江戸眼科内科、2025年よりくらかず眼科に就職。
【資格】
日本眼科学会 眼科専門医
白内障手術後の生活の質の向上
白内障手術による視力改善は、患者さんの生活の質に大きな向上をもたらします。具体的な変化について詳しく説明します。
日常活動における具体的な改善効果
読書や細かい作業能力の回復は、多くの患者さんが実感する改善の一つです。新聞や本の文字がくっきりと見え、長時間の読書も疲れにくくなります。手芸や裁縫などの趣味活動も再び楽しめるようになり、生活の充実度が向上します。
料理における改善も顕著です。食材の新鮮さや調理の加減を色で判断できるようになり、良好で美味しい料理を作ることができます。包丁を使う際の正確性も向上し、調理に対する自信を取り戻すことができます。
デジタル機器の使用も大幅に改善されます。スマートフォンやタブレットの画面が鮮明に見え、文字入力の精度が向上します。インターネットの利用やメールのやり取りなど、現代生活に欠かせないデジタルコミュニケーションがスムーズに行えるようになります。
家事全般においても改善が見られます。掃除の際に汚れをしっかりと認識できるようになり、洗濯物の色や汚れの判別も正確に行えます。これにより、生活環境の質が向上し、快適な住環境を維持できるようになります。
社会参加と心理的な好影響
視力改善により、外出に対する不安が軽減され、社会活動への参加意欲が向上します。友方との会食や趣味のサークル活動など、これまで億劫に感じていた活動に積極的に参加できるようになります。
運転再開により、行動範囲が大幅に拡大されます。買い物や通院、親族や友方の訪問など、自立した生活を送ることができるようになります。特に地方在住の方にとって、運転能力の回復は生活の質に大きな影響を与えます。
旅行や観光活動も楽しめるようになります。美しい景色を鮮明に見ることができ、写真撮影や観光地での活動により充実した時間を過ごすことができます。家族や友方との共有体験も豊かになり、人間関係の質が向上します。
心理的な面でも大きな改善が見られます。視力に対する不安が解消され、将来への希望が持てるようになります。自信を取り戻し、積極的な生活態度を維持することができるようになります。
まとめ
白内障手術後は読書能力の回復、料理や家事の改善、デジタル機器の使用向上など日常活動が大幅に改善されます。運転再開により行動範囲が拡大し、旅行や観光活動も楽しめるようになります。視力に対する不安が解消され、積極的な生活態度を維持できるため、心理的な面でも大きな改善効果が期待できます。
参考文献
白内障手術におけるDPCによる包括支払制度の評価
科学的根拠(evidence)に基づく白内障ガイドライン策定に関する研究
多焦点眼内レンズとの付き合い方

