40代・50代になると、「大腸ポリープ」や「大腸がん」など、さまざまな病気が血便の原因になります。痛みがなくても重大な病気のサインの可能性があるため、自己判断せずに適切な検査をして、血便になった理由を確かめることが大切です。今回は、かなもり内科婦人科クリニックの金森先生に、血便の要因と大腸内視鏡検査の重要性を聞きました。
※2025年12月取材。

監修医師:
金森 瑛(かなもり内科婦人科クリニック)
2012年獨協医科大学医学部医学科卒業。獨協医科大学病院 臨床研修医。2014年獨協医科大学 内科学(消化器)講座。2016年足利赤十字病院 内科、2019年同院 内科 副部長。2022年独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長・内科系診療部長、2024年獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医。
なぜ40代以降になると血便が増えるのか?
編集部
なぜ40代以降になると血便が増えるのですか?
金森先生
加齢とともに腸の粘膜が弱くなり、ポリープや痔などの症状が起こりやすくなるためです。また食生活やストレス、運動不足による便秘も原因の一つで、硬い便が肛門を傷つけて出血することもあります。さらに、40代以降は大腸がんの発症率が上昇する時期でもあるため、血便が増えるのです。
編集部
血の色で原因がわかることはありますか?
金森先生
ある程度の目安にはなります。鮮やかな赤色なら肛門や直腸に近い部位からの出血、暗い赤や黒っぽい血便だと大腸の奥や、胃などの上部消化管から出血している可能性があります。ただし血便の色だけでなく、しっかり検査をして原因を見極めることが重要です。
編集部
痛みがない血便もありますか?
金森先生
あります。特に、大腸ポリープや初期の大腸がんでは痛みがほとんどなく、血便のみが唯一のサインということもあります。また、痔も必ず痛みを伴うわけではないので注意が必要です。
編集部
便潜血検査で陰性だったとしても、血便が出ていることもあるのですか?
金森先生
はい。出血の量が少ない場合や断続的な出血がある場合は、検出できないこともあります。そのため、検査結果が陰性でも安心せず、血便を自覚したら医療機関を受診しましょう。
病気を見つけられる検査は…
編集部
血便が出た場合、どんな検査を受けるのですか?
金森先生
まず問診と診察をおこない、必要に応じて大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を実施します。大腸カメラだと腸の内側を直接観察できるため、ポリープや炎症、がんを早期に発見できます。
編集部
大腸カメラは痛みがあると聞きます。
金森先生
最近では鎮静剤を使う施設もあり、その場合は眠っている間に検査を終えることができます。また、細いスコープの使用や医師の技術向上により、比較的楽に受けられるようになっています。不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談してください。
編集部
ポリープが見つかった場合はどうなりますか?
金森先生
良性であれば、その場で切除できます。切除したポリープは、病理検査で悪性(がん)か良性かを判断します。がんを早期発見できれば、内視鏡治療だけで切除できる可能性があり、手術や抗がん剤治療を避けられることもあります。
編集部
大腸カメラで異常が見つからない場合、どういった病気が考えられますか?
金森先生
黒っぽい便(タール便)が出る胃潰瘍、十二指腸潰瘍、小腸出血などが疑われます。該当する場合は、出血した部位を特定するために胃カメラやCT、小腸内視鏡などを併用することもあります。

