数カ月前、授かり婚から3年がたった息子が、ようやく結婚式を挙げました。「いつかお嫁さんにドレスを着せてあげたい」——そんな息子の3年越しの願いがかなった1日でした。うれしさと同時に、親としてさまざまな思いが交錯した出来事でもあります。
2組限定の「無料」に当選
きっかけは、あるホテルでおこなわれていた挙式代のみ無料になるというイベントでした。2組限定という企画に応募したところ、まさかの当選。まだ十分な貯蓄があるわけではなく、本人たちが当初考えていた時期より半年早い時期でしたが、「せっかく選ばれたのだから」と式を挙げることにしたそうです。
「挙式代無料」という言葉は、若い2人にとって大きな後押しになったようでした。私も、これで少しは負担が軽くなるのだろうと、どこか安心していたのを覚えています。
「せっかくなら」で膨らんだ現実
ところが、準備が進むにつれて状況は変わっていきました。ホテル側からの提案に「せっかくなら」と応じていくうちに、オプションが増え、招待客の人数は当初予定の約5倍に。気付けば、予算もおよそ3倍に膨らみました
終盤には、動画を自作するなど、2人なりに費用を抑えようと努力していました。それでも、用意していた金額では足りず、最終的には親である私が不足分を工面することになりました。
正直なところ、戸惑いがなかったわけではありません。それでも、3年間子育てをしながら懸命に歩んできた2人の姿を思うと、「お祝い事だから」と自分の気持ちを静かに飲み込みました。

