出発直前の高速バス。ギリギリで最後に乗り込むのは、少々気が引けるもの。
しかも乗り遅れまいと必死に走ったため、汗だくに。
そんな困った状況のときに受けた親切は、後々まで忘れないものでしょう。
――愛知県在住の40代女性・こうめのママさんの体験談。

<こうめのママさんからのおたより>
まだ若かった頃のお話です。
当時は「仕事は趣味のため」という感覚で、お給料は趣味の「遠征」に消えていました。
それでも節約も必要なので、高速バスを使ったり金券ショップでチケットを購入したりしていました。
その日も遠征帰りで、高速バスに乗る予定だったのですが、在来線の遅れで発車時刻に間に合わなくなる寸前となり、とても焦っていました。
見知らぬ酔っ払いから声援!?
ヒールを履き、キャリーバックを引いて、電車を降りてからバス乗り場まで必死に走りました。
本当に必死でした。
それを乗り逃したら、知らない土地でひとり途方にくれます。
とにかく必死に走り、そんな必死の私を見て、夜遅い時間帯に気分がよくなっている方々から「ねぇちゃん頑張れー」と応援されたりしました(笑)。

バスの車掌さん、運転手さんが、私が走ってくるのを見つけて、待っていてくださいました。息も絶え絶えの私に、
「まだ2分も時間ありますよ。大丈夫です」
と笑顔で声をかけてくださった車掌さん。
泣きそうでした。
座席に素早く座って身を隠したかったその時
そして車内に乗り込むと、最後の乗客だったので視線を一気に浴びた私。息をきらしながらも、
「すみませんでした」
と半泣き状態に。私は窓側を予約していて、座席に素早く座って身を隠したかったその時、通路側の座席の若い男性から声をかけられました。
「あの、これどうぞ」
その男性の手には小さめのうちわと、飲み物とハンドタオル。
私があまりにも肩で息をしながら汗だくだったからでしょうか。笑顔で差し出してくださいました。

「そんな!大丈夫ですから」と遠慮したのですが、
「僕がいつも緊急用で持ち歩いてるヤツで申し訳ないですけど、使ってください」
と、ニコッと笑ってあちらからカーテンを閉めて、私が気を使わないようにしてくださいました。
