20数年前、娘がまだ保育園に通っていたころの話です。あのときはまさか、仲の良かったママ友との関係が「お金」をきっかけに崩れるとは思ってもいませんでした。
深刻な電話の内容は「1万円」
当時、娘と同じ園に通っていたAさん親子、Bさん親子、そして私たち親子の3組は、子ども同士も母親同士も仲が良く、よく一緒に出かけたり遊んだりしていました。そんなある日、そのうちの1人であるAさんから、いつもとは違う深刻な声で電話がかかってきました。
「すぐ返すから、1万円だけ貸してほしい」
突然のお願いでした。私は100円でもお金の貸し借りはしたくない性格です。本当は断りたかったのですが、「今回だけなら」と思い、貸すことにしました。約束の返金期日はきちんと守られ、ひとまず安心したのを覚えています。
増えていく金額と「言わないでね」のひと言
しかし、それは始まりに過ぎませんでした。その後、「3万円」「5万円」と金額は徐々に増えていき、ついには「10万円」という額を頼まれるようになりました。そのたびに、Aさんはこう言うのです。
「Bさんには言わないでね」
私は専業主婦で、いわゆる「三食昼寝付き」の生活とはいえ、10万円を気軽に貸せるような余裕はありません。どうやって断ろうかと悩み続けていました。そんなある日、Bさんから突然「Aさんと何かあった?」と聞かれました。
口止めされていたため借金のことは言えず、曖昧にごまかしました。すると後日、Bさんから「Aさんと親子でプールに行こうって話になっているの」と聞かされ、私たち親子は誘われていないことを知り、正直あぜんとしました。

