関節リウマチは、関節の痛みや変形によって日常生活に支障をきたす可能性がある病気です。症状の程度によっては、介護保険サービスを利用できる場合もあります。
本記事では関節リウマチでも介護保険は利用できるのか、以下の点を中心にご紹介します。
関節リウマチはどのような病気なのか
介護保険制度とは
介護保険の申請から利用開始までの流れ
関節リウマチと介護保険について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
石橋 祐貴(医師)
奈良県立医科大学卒業
2013年に東大病院整形外科・脊椎外科教室に入局。
整形外科の腫瘍領域である『骨軟部腫瘍』を専攻し、都立駒込病院、東京大学病院助教・特任臨床医として勤務。
【診療科目】
整形外科全般、がん骨転移、骨軟部腫瘍領域、緩和ケア領域など
【資格等】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
がん治療認定医
認定骨軟部腫瘍医
関節リウマチの基礎知識

関節リウマチとはどのような病気ですか?
関節リウマチとは、免疫の働きに異常が生じることで、関節に炎症が起こる慢性の病気のことです。主に手足の関節に腫れや痛みが現れ、炎症が続くことで軟骨や骨が徐々に傷つき、関節の動きが制限されます。進行すると関節の変形につながり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。
関節リウマチの初期段階は、朝起きたときに手指がこわばる、関節を動かしにくいといった症状がみられます。
また、時間の経過とともに痛みや腫れがはっきりしてきます。症状が左右の同じ関節に同時に現れやすいという点も特徴です。
また、関節症状だけでなく、微熱や倦怠感、食欲不振などの全身症状を伴うこともあります。
関節リウマチの炎症は関節に留まらず、進行すると肺や血管、目など全身に影響が及ぶ場合もあります。
そのため、単なる関節の痛みとして放置せず、早い段階で適切な治療を受けることが重要です。
関節リウマチは治りますか?
関節リウマチは根本的な治癒は難しいとされていますが、抗リウマチ薬の進歩により、寛解(痛みや腫れを抑え、日常生活に支障がない状態)を目指した治療が行われています。
関節破壊は発症から約2年以内に急速に進行するため、早期から抗リウマチ薬による積極的な治療が推奨されています。
抗リウマチ薬とは、関節リウマチの免疫異常を改善させることで、炎症を抑え、寛解導入を目的とする薬剤の総称です。
日常生活で困りやすいことや介護が必要になりやすい場面を教えてください
介護が必要になるきっかけは、関節リウマチだけではありません。「これまで当たり前にできていた日常動作が少しずつ難しくなってきた」と感じることが、介護を検討するきっかけになる場合もあります。
例えば、食事や入浴、移動、排泄などの日常生活動作(ADL)が自力で行いにくくなると、生活に支障が出やすくなります。
さらに、買い物や掃除、金銭管理といった手段的な日常生活動作(IADL)が難しくなると、一人での生活を続ける負担が大きくなります。
こうした変化の背景には、病気や転倒、認知症、高齢による体力や筋力の低下などがあります。
そのほか、つまずきやすくなったり、食べこぼしが増えたりといった小さな変化も注意が必要です。
気になる変化があったら、早めに地域包括支援センターや自治体へ相談することが大切です。
関節リウマチの負担を軽減する方法はありますか?
関節リウマチによる負担を軽くするには、日常生活のなかで関節に負担をかけない工夫を取り入れることが大切です。薬による治療に加え、生活面を見直すことで、痛みや動かしづらさを和らげやすくなります。
例えば、自助具を活用することで、調理や着替えなどの動作が行いやすくなり、自立した生活を続けやすくなります。
また、関節リウマチの症状には波があるため、無理をせず、その日の体調に応じて家族のサポートを受けることも重要です。
さらに、十分な休養やバランスのよい食事、無理のない運動を心がけることで、体力の低下や症状の悪化を防ぐことにつながります。
住環境を整えたり、冷えを避けたりする工夫も、関節への負担軽減に役立ちます。
関節リウマチと介護保険

介護保険制度とは何ですか?
介護保険制度とは、介護が必要になった方が安心して生活を続けられるよう、社会全体で支えることを目的とした公的な保険制度です。高齢や病気などにより日常生活に支援が必要になった場合でも、必要な介護サービスを受けやすくする仕組みとして設けられています。
要介護認定または要支援認定を受けると、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを原則1~3割の自己負担で利用できます。残りの費用は、保険料と税金で賄われています。
介護保険制度は、急速に進む高齢化により、家族だけで介護を担うことが難しくなった背景から創設されました。
40歳以上の方は、原則として年金から保険料を天引きされます。
介護保険制度の運営は市区町村が行っているため、利用時には自治体での申請と認定が必要です。
関節リウマチで介護保険を利用できる条件はありますか?
介護保険サービスは原則として65歳以上が対象ですが、関節リウマチは介護保険の特定疾病に含まれているため、40歳以上65歳未満でも利用できる場合があります。
特定疾病とは、加齢との関係が医学的に認められ、長期間にわたって日常生活に支障が生じやすい病気のことです。関節リウマチもその一つとされており、症状によって生活に介助が必要な場合は、要介護認定や要支援認定を受けることが可能とされています。
要介護認定および要支援認定を受けるには、本人、または家族が市区町村の窓口に申請書を提出します。すると、認定調査員が自宅を訪問し、どの程度の介護が必要か調査します。
また、市区町村は主治医に対して意見書の作成を依頼します。
市区町村では、訪問調査の結果をもとに一次判定が行われます。
次に医師の意見書を参考にしながら、介護認定審査会で”要介護度”を判定します。
関節リウマチはどのような介護保険サービスが利用できますか?
関節リウマチで要介護認定・要支援認定を受けた場合、在宅生活を支える介護保険サービスを利用できます。
主なものとして、ホームヘルパーが日常生活や家事を支援する訪問介護や、理学療法士などが自宅でリハビリを行う訪問リハビリテーションがあります。
また、介護保険は福祉用具のレンタルや購入、住宅改修の補助も利用できます。
ベッドや歩行器などはレンタルでき、シャワーチェアや腰かけ便座などは購入費の補助があります。
手すりの設置など、住環境を整えるための費用の補助も受けられます。

