
ドラマプレミア23「キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Lemino・TVerでも配信あり)の3月2日に放送された第8話では、大河(赤楚衛二)のバイト先“田の実”の常連客の乃愛(片岡凜)とヒモ彼氏の秋紀(福山翔大)のサイドストーリーを中心に展開された(以下、ドラマのネタバレを含みます)。
■日本人男子×韓国女子のピュア・ラブストーリー
本作は、日本人の長谷大河と韓国人のリン(カン・ヘウォン)が、文化や価値観の違いにとまどいながらも引かれ合い、やがて自分自身を見つめ直して前を向いていく姿を描くピュア・ラブストーリー。放送と同時に、Netflixでも世界独占見放題配信されている。
■乃愛とヒモ彼氏・秋紀
乃愛は、恋人・秋紀に振り回されっぱなし。秋紀は働きもせず、乃愛にカネをせびってはパチンコ店に入り浸っているヒモ男だ。乃愛は、そんな秋紀にウンザリしているが、別れることができず、甘えられるとカネを渡してしまっているのだった。
ある日のこと。いつものようにパチンコで負けっぱなしの秋紀に、チンピラ風の遊び仲間が投資話を持ち掛けてきた。秋紀は、「月に20万円の配当が必ずある」という仲間の話を聞いて「夢のようっすね」とウハウハだが、「よう」ではなく「夢」だ。そんなうまい話があるわけがない。
こんなバカな話をすっかり信じ込んだ秋紀は、自分では用意できない初期投資額50万円を、最近親しくなったリンの先輩・ジュンホ(ムン・ジフ)から借りることを思いついた。

■秋紀、ジュンホに借金…
「将来について相談に乗ってほしい」と、秋紀に呼び出されたジュンホは、乃愛に、秋紀なりに乃愛との将来を考えているのでは?」と言い、彼女は「そんなわけない」と口では言いながらも、やっとマトモになろうとしてくれるのかも、とうれしそうな表情を見せた。借金の頼みでジュンホを呼び出したことを、ジュンホも乃愛もまだ知らない…。
「将来についての相談」が借金の頼みだと知ったジュンホはあきれ返るが、秋紀は「乃愛の母親の手術代をオレが出してやりたい」とウソをついた。彼女が後ろめたく感じるかもしれないから、ジュンホに借りることは言わないでくれ、オレが働いて返すから、と懇願する秋紀に負けて、ジュンホは50万を秋紀に渡した。
悪い仲間に50万円を渡した秋紀は「最初の配当」と20万円を受け取り、大ハシャギ。初回はちゃんと渡すのは、カモを信じ込ませる為の“詐欺あるある”だ。世間知らずにもほどがある。
■乃愛の怒り
大金を手にした秋紀は、さっそく散財。「投資系で儲かった」と得意気な彼に、乃愛は、初期投資の出所を尋ねた。すると、彼は悪びれもせずに「借りた」と答えた。誰からかと問い詰めても「知り合い」とのらりくらりとかわす秋紀。大金を貸す「知り合い」など秋紀にはいないことを知っている乃愛は、ある人物が頭をよぎり、「早く言えよ!」と声を荒げた。
その迫力にビビった秋紀は、ジュンホから借りたことを白状。怒りに震える乃愛に、彼は「毎月20万円入るから」と言い、安定した収入があれば、2人で住む家も借りられる、少しは信用してほしい、と、この明らかな詐欺話をうのみにして、乃愛に伝えるのだった。
秋紀が乃愛を好きな気持ちは本物だ。彼女を幸せにしてやりたいのも本心。だが、その方法が間違っていることに、彼は気付けない。彼は、明るくて人当たりも良く、決して“悪人”ではない。クズではなくバカなのだ。その上、極力苦労や努力をしたくない、根っからの怠け者…。どうしようもないダメ人間だ。

■ジュンホに謝れない秋紀
乃愛は、ジュンホに返す為に50万円を用意して、秋紀を連れて彼に謝りに行った。「オレだって変わりたかったんだ!」などと言い訳ばかりの秋紀に、「ここまでバカだとは思わなかった。哀しくなる」と、あきれる乃愛。目の前で激しく口論する2人を、ジュンホが「もういい!」と止めた。
そして、彼は秋紀に、カネを貸したのは秋紀を信じたからだと言い、この50万円は乃愛のカネだから受け取れない、自分で返せ、と告げた。「信じてるからな」と念を押したジュンホに、彼は「勝手に信じて、勝手にガッカリして…そういうのが、一番ムカつく」と言って涙を流した。
秋紀は、乃愛を喜ばせたかったのに「バカ」と何度もののしられたこと、騙したジュンホがまだ「信じてる」と言ったことなどが一気に襲ってきて、感情の整理がつかず、それを「ムカつく」という言葉でしか表現できなかったのではないだろうか。
いたたまれなくなり、「ウザすぎんだよ!」と捨てゼリフを残して店を出て行こうとした秋紀を、乃愛は力づくで引き止めて、「お願い…謝って」と頼んだ。だが、彼は、つらそうな表情で無言で乃愛を押しのけて出て行ってしまった。本心では謝りたかったのだろう。しかし、素直になれず「ごめんなさい」が言えない。幼い子供と同じだ。

■乃愛の選択
乃愛は、秋紀のバカさ加減にここまで耐えてきたが、もう限界だった。今では乃愛と親友のリンは彼女から事情を聞き、これからどうするのかと尋ねた。すると、乃愛は「もう別れようかな…」とつぶやいた。
乃愛は、先日、前を向いて進み始めたリンの様子を見て、「キラキラしてて、私にはまぶしい」と言ってい「た。乃愛は海外に行きたい夢があり、英語の勉強もしているが、バイトを2つ掛け持ちしても多くない収入は母への仕送りと秋紀の小遣いで消えてしまい、海外など夢のまた夢だと諦めていた…。
その時にリンに言われた「本当に海外に行きたいなら、どうすれば実現するか考えてみたら?誰だって、なりたい自分になるべきだよ」という言葉が、今になって乃愛の胸に刺さった。
このまま秋紀といても、同じ事の繰り返しで、振り回されて人生が終わってしまう。前からそれはわかっていたが、一歩進む勇気が出なかったのだ。“田の実”の英語のメニューを作って店主のシゲさん(吹越満)に感謝され。好きなことにやりがいを感じたこともあったのに、自信が持てずにその先へ進むことを諦めていた。それと、こんなにダメな秋紀を自分が見捨てたらさらにダメになってしまう、という“だめんず”特有の義務感もあったのかもしれない。
「別れる」と決断したことを、リンに「いいよね?」と尋ねる乃愛。「乃愛が心から望んだことなら何でも応援する」というリンの言葉に後押しされ、乃愛は秋紀と別れることを決めた。
乃愛は、これまでに秋紀に貸したカネは“手切れ金”として返済しなくていい、と伝えた。彼女は、部屋を出ていく秋紀の背中に、「楽しかったよ、アンタとのクズ生活」と言って、彼を送り出した後、1人になった部屋で「よし!」とつぶやき、新たな人生を始める自分を鼓舞した。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


