40代後半から50代にかけて、多くの女性が経験する「更年期障害」。この年代になるとホットフラッシュやイライラ、頭痛や不眠などの症状に悩む人も少なくありません。そこで、更年期障害の基礎知識から自分でできる対策、さらには病院での治療法などについて、ショコラウィメンズクリニックの木崎先生に解説してもらいました。
※2025年11月取材。

監修医師:
木崎 尚子(ショコラウィメンズクリニック)
東京女子医科大学卒業。川崎市立井田病院・川崎病院で初期研修。東京女子医科大学病院産婦人科、国際親善総合病院産婦人科、湘南藤沢徳洲会病院産婦人科、茅ヶ崎徳洲会病院産婦人科などを経て、2021年10月、横浜市都筑区にショコラウィメンズクリニックを開院。古くから薬能があるとされ、また、人を癒やしたりリラックスしたりする効果があるとされるチョコレートのように、ほっとできる空間を提供したいとの思いから、「ショコラウィメンズクリニック」と命名。
更年期について、医師が解説!
編集部
更年期について教えてください。
木崎先生
更年期とは、閉経の前後5年間ずつ、合計10年間を指します。日本人の閉経年齢は、平均50〜52歳なので、おおよそ45〜55歳が更年期に該当します。この期間は、卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、体や心にさまざまな変化が起こります。
編集部
いわゆる「更年期障害」ですね。
木崎先生
はい。「更年期」と呼ばれる時期は誰にでも訪れますが、更年期のホルモン変動によって表れる不調のうち、日常生活に支障をきたすものを「更年期障害(更年期症候群)」と呼んでいます。症状が軽い人もいれば、生活が困難になるほど強い人も存在します。
編集部
どんな症状が出るのですか?
木崎先生
症状はかなり多岐にわたりますが、代表的な症状は急なのぼせや発汗が起こるホットフラッシュ、冷え、めまい、頭痛や肩こり、不眠などです。また、イライラや落ち込み、うつなど、メンタルに不調をきたす人も多くいます。さらに、身体的と精神的な症状が同時に出ることも珍しくありません。
編集部
症状はずっと続くのですか?
木崎先生
ホルモンバランスの乱れは平均すると2〜5年ほどで徐々に安定してきますが、基本的には個人差があるため、10年ほど続く人もいます。我慢せず、早めに医療機関に相談することが大切です。
つらい更年期… 改善策を教えて!
編集部
自分でできる対策にはどんなものがありますか?
木崎先生
まずは「生活習慣を整える」ことが基本です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ウォーキングなどの軽い運動、そして禁煙を心がけましょう。規則正しい生活を維持し、ストレスをためないようにすることで、自律神経の乱れを整えやすくなります。
編集部
食事面では何に気をつけたらいいでしょうか?
木崎先生
3食きちんと、栄養バランスの取れた食事を心がけることですね。大豆製品に含まれるイソフラボンは、体内で女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをする“エクオール”に変化する人もおり、更年期症状の軽減に役立つことがあります。また、ビタミンEにはホルモンバランスを整える作用があるとされています。反対に、アルコールやカフェインの取り過ぎはホットフラッシュや不眠を悪化させることがあるため注意が必要です。
編集部
睡眠を整えるために、具体的にどんなことをしたらよいですか?
木崎先生
日中の適度な運動や寝る前の軽いストレッチなどで、体を程よく疲れさせてください。また、寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用は、脳が刺激されて入眠を妨げるため控えましょう。就寝・起床の時間を一定に保つ、寝室の照明を落とす、寝る前に温かい飲み物を摂取するなど、体と心が「眠る準備」を整えられる環境づくりも大切です。
編集部
それでもつらい場合は、どうしたらよいでしょうか?
木崎先生
日常生活に支障を感じるほどの不調が続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。更年期障害の早期治療という意味もありますが、更年期ではなくほかの疾患による可能性もあるため、放置しないことが大事です。

