少女に現金を渡してわいせつな行為をしたとして、大学教授の男性が2月25日、児童買春禁止法違反の疑いで京都府警に逮捕されたと報じられている。
産経新聞によると、男性は昨年10月、京都市内のホテルで、当時15歳だった少女に現金を渡して、わいせつな行為をした疑いがある。2人はSNSで知り合ったという。
2023年施行の改正刑法では、16歳未満にわいせつ行為や性交等をした場合、「不同意わいせつ罪」や「不同意性交罪」が成立することになった。
今回のようなケースでは、どのようになるのだろうか。奥村徹弁護士に聞いた。
●成立が検討される3つの罪
15歳の児童にお金を渡す(対償供与)を約束して性的行為をした場合に検討される罪名は、
(1)不同意わいせつ罪(刑法176条3項)
(2)不同意性交罪(刑法177条3項)
(3)児童買春罪(児童買春・児童ポルノ禁止法)
です。(1)(2)の実行行為は、わいせつ行為または性交等ですが、故意としては、「(相手が)16歳未満の者であり、かつ自らが生まれた日より5年以上前の日に生まれた者であることを知りながら」という認識が要件となります。
一方、(3)の児童買春罪は、対償を供与して性交等する約束ないし対償供与+性交等であり、故意としては「18歳未満の者と知りながら」という認識が要件になります。
いずれも故意犯であり、それぞれの罪で要求される年齢の認識が欠ける場合には、その罪は成立しないことになります。
報道された事件のように被害者が15歳の場合、外見では区別がつかないので、プロフィールやメール、メッセージ、言動などの客観証拠に年齢をほのめかすものがないかが捜査されることになります。
また、警察は戸籍などで15歳だと確認しているので、不同意わいせつ罪・不同意性交罪の関係では「16歳未満と知っていただろう」、児童買春罪の関係では「18歳未満と知っていただろう」という執拗な取り調べで自白を迫られることもあります。
●青少年条例との関係
18歳未満とのわいせつ行為や性行為は、各地の青少年健全育成条例にも抵触します。
条例には、いわゆる「年齢知情条項」があり、「18歳未満と知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない。ただし過失がないときはこの限りでない」と規定されています。
そのため、児童買春についても、18歳未満と知らなかった場合でも条例違反として処罰されるようにも見えます。
しかし、児童買春・児童ポルノ禁止法制定時の附則2条1項により、児童買春行為については青少年条例の効力は失われています。したがって、過失による条例違反として処罰されることはありません。

