人手不足、予算不足、物価高…生活様式の変化
店訪問スタイルからおうちごはん系が主流になったのは、やはり2020年からのコロナ禍が大きく影響しているのだそう。グルメドラマに携わった経験のあるテレビ局員のKさんはこう話します。「飲食店の閉店が増えたこともありますが、生活様式が変わったことなども遠因としてあります。非接触接客が多くなった関係で、“ドラマ映え”する飲食店が減ってきました。
例えば、五郎さんがスマホを使って注文していたらちょっと味気ないですよね。個人店でも、ファミレスにあるネコ型配膳ロボットのような自動配膳装置を使用する店もあるくらいですから」
味やその他の雰囲気が良ければロケ協力をお願いすることもありますが、それでも難しいケースがあるといいます。ドラマは圧倒的にInstagramよりコスパが悪い
「もともと、とりあげたくなるような名店はワンオペや家族経営など少人数で回していることも多いので『お客様が増えても困る』と、断られることが多いんです。しかも、ドラマ撮影は1日~2日がかり。交渉によりますが、店をお休みにできない、従業員を確保できないなどの理由から撮影協力NGということもよくあります。一方、近年ではInstagramの影響力が大きくなりました。自らの飲食のついでに撮影を終わらせるインスタグラマーの発信に比べれば、圧倒的にコスパが悪いのでしょう」
昨今の物価高や人手不足も影響しているようです。そういった理由から、実際の店に訪問するスタイルから、おうちごはんや料理人が主役のスタイルが増えてきたのでしょう。
