苦境を強いられているお店系。それでも無くならない理由
昨今、制作の過程で問題があれば、SNSなどで露わになってしまう時代にもなりました。より細心の注意や配慮を各所に配り慎重にならなけばいけないことも、減少の要因のひとつになっているのかもしれません。当たり前のことではありますが……。
ただ、苦境を強いられているお店訪問スタイルでも、前向きに受け入れてくれるところも少なくないといいます。一番多いのが「番組のファンだから」という嬉しい声だそう。コロナ禍以降目立つようになったのが「いつ閉店(自分が亡くなっても)してもいいように」と撮影して欲しいという声。
閉店だけでなく、再開発などの理由で移転やリニューアルする前に、後世に残る形で店を記録に残したいというお店関係者が増えていると言います。この理由で、今まで取材拒否だった店の撮影許可がでることもあるのだとか。
「それを聞くと、制作側もなんとかしていい作品にしようとさらに意欲が沸くんです。いい飲食店は食の文化遺産ですからね」
Kさんはそう語り、機会があればまたグルメドラマに携わりたいと意欲を語りました。食欲の秋。お腹が減る秋の夜長は、グルメドラマで過ごすのもよさそうです。
<文/小政りょう>
【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

