●「行ってください」と言われたことの立証は難しい
とはいえ、実際に取り締まりを受けた場合に、「歩行者から行ってくださいと言われた」ことを証明するのは簡単ではありません。
歩行者の合図はその場の短時間での出来事です。明確な言葉が残っているとも考えにくく、歩行者の挙動の解釈も問題となるでしょう。
千原さんのケースでも、歩行者を探しに行ったものの見つからなかったと報じられています。
また、同じケースではありませんが、裁判で争っても違反が認められた事例はあります。
先ほどあげた東京高裁の裁判例でも結論として違反が認められています。
また、大阪高裁昭和54年(1979年)11月22日は、横断歩道の中央付近で立ち止まった歩行者について、「横断しようとする歩行者」にあたるとして違反を認めました。
千原さんのケースの方が、これらのケースよりも違反と認定されにくいとは思いますが、捜査機関とのやりとりや弁護士への相談など、争うこと自体が大きなコストになってしまうでしょう。
それでも納得いくまで戦いたいということであれば、ドライブレコーダーによる録画が必須になると思われます。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

