血圧の薬と飲んではいけない薬とは?
高血圧の薬は、一緒に飲んだ薬の影響で降圧作用が強くなったり、弱くなったりします。そのため飲み合わせに注意が必要な薬や食品があります。
特に、一部の風邪薬、解熱鎮痛薬、漢方薬などは注意が必要です。
エフェドリン類が含まれる風邪薬
血圧を下げる薬の効果を弱める可能性があります。エフェドリン類(プソイドエフェドリン、dl-メチルエフェドリン、フェニレフリンなどの交感神経刺激成分)は交感神経を刺激し、血管を収縮させ、心拍数や心収縮を増強するため、血圧を上昇させ、心拍数を増加させます。そのため、高血圧を悪化させる恐れがあります。
また、β遮断薬を服用中の方では作用が打ち消されるため、血圧や脈拍の変動が大きくなることもあります。
NSAIDs配合の鎮痛剤
血圧を下げる薬の効果を弱める可能性があります。NSAIDsは解熱鎮痛剤として用いられる薬ですが、薬の作用に「シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を阻害して、プロスタグランジンの産生を抑える」があります。それにより、腎血流が低下し、塩分や水分をため込みやすくなるため、RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)が活性化して、血圧が上がりやすくなります。特にACE阻害薬やARBと利尿薬を同時に使うと、腎機能の悪化や電解質異常を起こしやすくなるため、注意が必要です。
葛根湯など甘草を含む漢方薬
血圧を下げる薬の効果を弱める可能性があります。甘草に含まれる グリチルリチン酸 は、コルチゾール(ホルモンの一種)をコルチゾンに分解する酵素を阻害します。すると、コルチゾールの作用が強まり、腎臓の受容体に作用して、ナトリウムを再吸収してカリウムを排泄します。その結果水分や塩分が体にたまり、血圧が上昇します。また低カリウム血症により、不整脈などを起こすリスクがあります。
血圧を下げる薬
利尿薬とACE阻害薬またはARBを組み合わせることで、より血圧を下げる作用が強くなります。利尿薬で体の水分が減ると、体は元に戻そうと水をため込もうとするため、 RAASが活性化します。ACE阻害薬またはARBはこのメカニズムを阻害する薬なので、より血圧を下げる効果を持続することができるため、より血圧を下げたいときに用いられます。ただし、過度に血圧が下がったり腎機能や電解質に影響が出たりする可能性もあるので、注意深い管理が必要です。
「血圧の薬と飲んではいけない薬」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧の薬と飲んではいけない薬」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧の薬はオレンジジュースと一緒に飲んでも大丈夫ですか?
大沼 善正 医師
オレンジジュースにはフラノクマリン類が含まれていないため、血圧の薬(Ca拮抗薬)と飲んでも問題ありません。ただし、ダイダイ、ぶんたん、はっさくなど一部の柑橘類にはフラノクマリン類が含まれているため、注意しましょう。また、Ca拮抗薬とグレープフルーツの飲み合わせは注意が必要ですが、ACE阻害薬・ARB、利尿薬など他の血圧の薬との相互作用は少ないとされております。
グレープフルーツを食べてどれくらい時間を開けたら血圧の薬を飲んでも問題ないですか?
大沼 善正 医師
個人差はありますが、グレープフルーツジュースの摂取後24時間は酵素活性が抑えられるとされています。そのため、最低でも24時間空けるのが望ましいと思われます。より安全をとるには、48~72時間空けるのがよいでしょう。

