介護保険を利用する際の注意点

介護が必要でも介護保険を利用できないケースはありますか?
介護が必要な状態であっても、すべてのケースで介護保険が使えるわけではありません。まず、入居している住まいの種類によっては、施設内のサービスが介護保険の対象外となる場合があります。
例えば、生活支援を中心とする住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホーム、特定施設に該当しないサービス付き高齢の方向け住宅、養護老人ホームなどでは、施設が提供する支援そのものに介護保険は適用されません。
この場合、介護が必要になった際は、外部の訪問介護事業者と個別に契約して保険サービスを利用します。
また、介護保険は日常生活の支援を目的としているため、必要性が認められない援助や過剰なサービスは対象外です。
家族のための家事、使用していない部屋の掃除、庭仕事やペットの世話、外出や旅行への付き添いなどは介護保険では利用できません。こうした支援が必要な場合は、全額自己負担となる介護保険外サービスを併用する方法もあります。
介護保険の利用条件で間違えやすい点を教えてください
介護保険の利用条件には、制度の仕組みを正しく理解していないと間違えてしまいやすい点があります。主なポイントを説明します。
①年齢と認定に関する誤解
繰り返しになりますが、介護保険は、40歳以上であれば誰でも使える制度ではありません。40〜64歳の方は、保険料を納めていても、国が定める特定疾病が原因で要介護や要支援認定を受けた場合に限って利用できます。
また、65歳以上の方も、年齢だけで自動的に対象になるわけではなく、要介護認定を受けていなければ介護サービスは利用できません。
②サービス内容に関する誤解
介護保険は生活全般を支援する制度と思われがちですが、実際には支援範囲が限られています。
点滴や注射などの医療行為、買い物や通院への付き添い、本人以外の家族への支援、日常的な家事の全面代行などは原則として対象外です。介護保険は、本人の自立を支えるための支援に限定されています。
③費用と利用上限に関する誤解
在宅サービスには要介護度ごとに月ごとの支給限度額が設定されており、上限を超えた分は全額自己負担です。
また、住宅改修についても補助には上限があり、高額な工事すべてが保険でまかなわれるわけではありません。
このように、介護保険は万能な制度ではありません。そのため、医療保険や保険外サービス、地域の支援制度と組み合わせながら、状況に合った利用方法を検討しましょう。
編集部まとめ

ここまで介護保険の利用条件についてお伝えしてきました。介護保険の利用条件の要点をまとめると以下のとおりです。
介護保険が利用できるのは、原則65歳以上で要介護または要支援の認定を受けた方(もしくは40歳以上65歳未満で国が定める特定疾病により介護や支援が必要と認められた方)
介護保険で受けられるサービスは、利用者の生活状況や介護度に応じて在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどの種類に分けられる
介護保険は、要介護(または要支援)認定の申請、認定調査や審査、区分決定、ケアプランの作成、介護サービスの利用開始という流れ
高齢化が進むなか、「介護が必要になったらどうすればいいのか」という課題は誰にとっても身近なテーマになっています。介護保険制度のポイントを押さえておけば、いざというときに慌てず行動できます。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
介護保険とは|厚生労働省
介護保険制度について (40歳になられた方へ)|厚生労働省
介護保険の解説 -サービス編 -|厚生労働省
サービス利用までの流れ|厚生労働省

