【小児】ランゲルハンス細胞組織球症の予後
病型や臓器浸潤などによって生命予後はおおきく異なります。国立成育医療研究センターの報告によると、生存率はSS型が100%、MS-RO(-)は99%、MS-RO(+)は80%程度です。
一度完治しても、MS型では30~40%の患者さんで再発を認めます。骨に再発することがほとんどです。しかし初回の治療が効くことが多く、生命予後は悪くありません。
晩期合併症として骨痛や難聴、尿崩症などが認められる場合があります。発症から10年以上経過してから起こる場合もあるため、完治したあとも長期のフォローアップが必要です。
ランゲルハンス細胞組織球症の主な治療法
治療法は、どの部位にどれだけ病変があるかによって異なります。主な治療法を示します。
無治療経過観察
単一骨病変や皮膚の単独病変では、自然軽快が期待できるため無治療経過観察を行います。ただし、単一病変であっても脊髄や視神経の圧迫がある場合や痛みが強い場合、中枢神経浸潤のリスクが高い場合(耳の後ろ、目の周り、脳の底、副鼻腔などの骨の病変がある場合)は積極的に化学療法が行われる場合もあります。
全身化学療法
MS型では化学療法が行われます。ビンクリスチン、ステロイドなどを含む1年間の化学療法が行われます。化学療法が奏効しない患者さんには造血幹細胞移植も考慮されます。
化学療法を行う場合は、入院の上施行します。長期的な治療になるため入退院を繰り返しながら投与が行われます。
ステロイド局所療法
皮膚病変のみの場合は、ステロイド局所療法が行われます。ただし、MS型に進行する可能性もあるため注意深く経過観察が必要です。
「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」についてよくある質問
ここでは「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ランゲルハンス細胞組織球症の死亡率はどれくらいですか?
鎌田 百合 医師
SS型の予後はきわめて良好です。しかし、MS型になると臓器浸潤の有無で予後が異なります。MS-RO(+)型は約10~20%が死亡するとされています。MS-RO(-)型の生命予後は良好です。しかしどの型であっても、再燃や、晩期合併症が起こる場合があるため長期のフォローアップが必要です。
ランゲルハンス細胞組織球症は何人に1人の割合で発症する疾患ですか?
鎌田 百合 医師
ランゲルハンス細胞組織球症はたいへんまれな疾患です。小児では100万人に5人程度、15歳以上では100万人あたり1人程度とされています。小児に多い疾患ですが、成人にも発症する疾患です。
まとめ
ランゲルハンス細胞組織球症はまれな病気の上、経過もさまざまであるため症状が出てもすぐに診断がつかない場合も多い病気です。患者さんは整形外科、耳鼻科、脳外科、皮膚科、呼吸器科などさまざまな科を受診します。しかし珍しい病気のためなかなか診断がつかないこともあります。
小児では頭蓋骨の骨病変の頻度が高いとされています。転倒後に頭のこぶが引かない場合は注意が必要です。
ランゲルハンス細胞組織球症が疑われる場合は、小児科を受診し医師に相談しましょう。
「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」と関連する病気
「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌系
尿崩症呼吸器系
気胸肺気腫ランゲルハンス細胞組織球症はとても珍しい病気で、診断されるまで時間がかかる可能性があります。様々な病気がランゲルハンス細胞組織球症の一つの症状として現れ、それを詳しく検査していくと確定診断に結びつくことがあります。
「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」と関連する症状
「ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
ランゲルハンス細胞組織球症のサイン
頭痛骨痛
頭のこぶ
発熱胸痛尿量が多い
皮膚の赤み
ランゲルハンス細胞組織球症は、全身に多彩な症状が見られる病気です。
参考文献
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の解説|日本小児がん研究グループ
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)|国立成育医療研究センター
成人型ランゲルハンス細胞組織球症|厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
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