限界
そんなある夜、娘がミルクを欲しがって激しく泣き出したことがありました。
寝ぼけまなこのまま慌てて準備していると、別室で寝ていた夫がムスッとした表情でこう言ってきたのです。
「手際が悪いなあ」
「早めに気づいてあげれば泣かせなくて済むのに」
その言葉で、張り詰めていたものが一気に切れた私。
「……何も知らないくせに、そんなこと言わないで!」
怒りと悲しみと悔しさが溢れ、泣きながらこれまでの苦しさをぶつけました。
このときばかりは“離婚”の二文字がよぎったほどです。
その後
「そんなに辛いと思っていなかった」
「本当にごめん」
と初めて私が泣きじゃくる姿を見て、夫もようやく気づいたのか何度も頭を下げてくれました。
分かったのは、察してもらうのを待っていても何も変わらないということ。
限界になる前に言葉にすることが、家庭を壊さないために必要なのだと学びました。
それからは夫も育休を取ってくれ、たくさん感謝の気持ちを伝えてくれるようになり、夫婦関係の危機も乗り越えられています。
【体験者:20代・女性公務員、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。

