日本では生活習慣の変化により「太りすぎ」と「痩せすぎ」の両極化が進んでいますが、特に肥満に伴う健康リスクへの自覚不足が課題となっています。今回、一般の方約500名を対象に意識調査を実施したところ、「肥満症」という言葉の認知度は高いものの、“医学的な定義”や“治療すべき病気”であるという認識には大きなギャップがあることが判明しました。今回、医師の大坂先生とともにアンケート結果から見えた現代人の盲点と、健康を守るための正しい向き合い方を紐解きます。
※2026年2月取材。

監修医師:
大坂 貴史(医師)
京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。
Q1.「肥満症」という言葉を知っていますか?
編集部
アンケートでは「肥満症(ひまんしょう)」という言葉を、約7割の方が「よく知っている」「なんとなく知っている」と回答しました。この数字だけを見ると認知度は高いように思えますが、大坂先生はどう捉えていますか?
大坂先生
比較的多いと言えるでしょう。最近はニュースやメタ広告などで流れてきますので、その影響ですね。ただ、この質問は次の質問との比較が重要となっておりますので、次に詳しく解説します。
Q2.肥満と肥満症の違いを知っていますか?
編集部
「肥満」と「肥満症」の違いを「よくわからない」と答えた人が約6割(57.8%)に達しています。この結果から、患者さんの「受診行動」においてどのような問題が読み取れますか?
大坂先生
前回の【肥満症という言葉を知っていますか?】という質問から、「よく知っている」「なんとなく知っている」と答えた人の割合は68.2%から42.2%と大幅に減りました。日本肥満学会の肥満症ガイドラインによりますと、「肥満」というのは「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI(体格指数:体重÷身長÷身長)が25以上のもの」となっております。「肥満症」はそれに加えて「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併し医学的減量を必要とする疾患」となっております。つまり「肥満」は状態で「肥満症」は病気といえます。ここで大切なことは「肥満」かどうかは体重を測るだけではある程度わかりますが、「肥満症」かどうかは病院に行って検査をしないとわからないということです。つまり、BMIが25以上の方は健康診断を受けるなどを含めて一定の検査が必要なのです。

