●「パニックでは通らない」と裁判官
検察官は、改めて逆走に至った経緯について確認。名古屋市で飲酒していたが、同じ場にいた人物を四日市市に送るために運転したという。
検察官:事故現場は四日市市より先の地点ですよね。通り過ぎたのですか?
被告人:高速道路に慣れておらず、ナビの言う通りにしたのですが。
検察官:逆走に至る原因というのは?
被告人:その日はすでに7〜8時間運転して疲れていて。眠くて目が閉まるほどで、側面にぶつかって反対方向を向いてしまいました。
「パトカーを見て飲酒がバレるのが怖く、パニックで走り続けた」という説明に対して、裁判官は「10キロ以上運転しながらパニックだったは通らない」「すり抜け運転ができる時点で冷静さがあった」と厳しく問い詰めた。
●検察側の求刑は「懲役3年」
検察は「飲酒の上、逆走発覚後も運転を継続した意思決定を身勝手極まりない」「物流の要である主要高速道路で起こした影響など被害が大規模に渡っていることも悪質である」などとして、懲役3年を求刑した。
被告人は最終陳述で「日本がとても好き。親切にしてもらっている。二度とこんな事故をしない。ルールを守ることを約束します」と謝罪と反省を述べた。
なお、運転免許の取消期間は最長の10年に及ぶ。次の職場が決まっているという被告人にとって、この10年は大きな試練となるだろう。判決は10月8日の予定だ。

