ついに、美緒ちゃんの執着が「窃盗」というタブーにまで踏み込みます。相手が、PTA役員の真理子さんの娘だったことは、秋穂さんにとって、事実無根のウワサを晴らす絶好の機会となりました。
ある休日のできごと…
事実無根のウワサを流され、肩身のせまい思いをしていた、ある日…。
近所の公園で、事態を根底からくつがえすトラブルが発生しました。
美緒ちゃんが、数人の友だちと「シール帳」を見せ合って遊んでいた時のことです。
その中に、PTA役員を務める真理子さんと、その娘さんもいました。
真理子さんの娘さんが持っていたのは、なかなか手に入らない、貴重な「限定シール」。美緒ちゃんは、それを一目見るなり、目が血走っていました。
「ねえ、それ交換して!」
シールトラブルが目の前で発覚
真理子さんの娘さんが、
「これは大事だからダメ」
と断ると、美緒ちゃんはあからさまにフキゲンになりました。
そして、みんなが目をはなしたスキに、その貴重なシールをはがし、自分のシール帳にこっそり貼り替えてしまったのです。
「あれ! わたしのシールがない!」
泣き出した娘さんの声に、真理子さんがかけつけました。
美緒ちゃんは「知らない」と突き放しましたが、真理子さんは見逃しませんでした。
美緒ちゃんのシール帳の、あきらかに不自然な位置に貼られた、娘のシールを…。
「美緒ちゃん、これはどういうこと?」
真理子さんはPTA役員であり、以前から「シールへの執着がはげしく、周囲に強制する子がいる」という問題を、本部で議題に上げていました。
美緒ちゃんの名前は、要注意人物として、すでにマークされていたのです。

