治療の基本と早期発見の重要性
編集部
糖尿病と診断されたら、どのような治療をおこなうのでしょうか?
吉良先生
1型糖尿病では、インスリンでの治療が必須となります。2型糖尿病の場合、治療の基本は食事療法と運動療法です。これらを試みても改善が乏しい場合には薬物療法を併用し、血糖を適切な範囲に保つよう管理します。治療の大きな目的は「合併症を防ぐこと」であり、長期目線の取り組みが必要です。
編集部
糖尿病は完治しないといわれていますが、本当ですか?
吉良先生
糖尿病の場合、治療の目的は“完治”ではなく適切な治療と生活改善で“よい状態を保ち続けること”です。ただし、早い段階で取り組めば糖尿病は改善し、薬が不要になるケースもあります。発症初期で対応できるかどうかで、その後の経過が大きく変わるのです。
編集部
早期発見が大事なのですね?
吉良先生
そうですね。糖尿病は自覚症状が出にくいため、健康診断で血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が基準を超えていたら、一度は専門医を受診することを強くおすすめします。さらに喉の渇き、尿の増加、体重減少などの症状があれば、早めの対応が必要になります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
吉良先生
お酒を楽しむことは悪いことではありませんが、「どの場面で、どのくらい飲むのか」ということを意識し、節度を保つのが大切です。近年は、糖尿病や脂肪肝の人が増えていますが、適切に対応していれば、過剰に怖がる必要はありません。気になる症状がある場合や健診値に変化が出たときは、早めに受診してタイミングを逃さずにケアすることが重要です。仮に糖尿病と診断されたとしても、薬を必要以上に怖がる必要はありません。逆に、薬だけに頼るのも望ましくありません。生活習慣の改善と薬物療法をバランスよく組み合わせることが大事です。特に、運動は血糖コントロールに非常に有効ですね。日々の歩行量を増やす、階段を使う、軽い筋トレを取り入れるなど、続けやすい方法で適度な運動に取り組むことをおすすめします。また、「〇〇を食べると糖尿病によい」といった情報がインターネット上で出回っているようですが、「食べれば糖尿病がよくなる食材」は基本的にありません。情報に振り回されず、主治医と相談しながら、無理のない生活習慣の整え方を見つけていきましょう。
編集部まとめ
糖尿病は生活習慣や体質によって発症しやすく、自覚症状が乏しいまま進むことがあるため、早期の発見と対策がとても重要です。飲酒に関しては“適量であれば問題ないが、過量は確実にリスクを高める”という点を理解し、日頃の生活習慣を振り返ってみてください。健康診断で気になる数値があれば、早めに医療機関で相談しましょう。

