元参議院議員でおととし名古屋市長選にも出馬した大塚耕平さんが、「心不全」で亡くなったと報じられています。66歳でした。そこで、心不全の前兆となる初期症状・末期症状について医師の伊藤先生に解説してもらいました。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
「心不全」とは?
心臓は血液を肺、全身に送り出すポンプの役割を果たしています。「心不全」とは、この心臓の機能が悪くなった状態をさします。「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と、定義されています。
心不全の代表的な症状
心不全の代表的な症状には、
①心臓が十分な血液を送り出せないことによっておこる症状
②血液がうっ滞することによって起こる症状
の2つがあります。
それぞれの症状について解説します。
血液が十分に送り出せないことによる症状
心臓の機能が弱り、全身に十分な血液を送り出せないことによりさまざまな症状が起こります。
・疲労感、倦怠感
・手足の冷え
・息切れ
全身に十分な血液を送り出せないことにより、体に必要な酸素や栄養素が供給されにくくなります。このため、運動をするとすぐに疲れたり、息切れが起こります。また、末梢の循環が悪くなるため、手足が冷たくなり、紫色になることもあります。このような症状が現れた場合には、無理に動かず早めに循環器内科へ行きましょう。少し動いただけでも苦しくなるようであれば、早急に受診することをお勧めします。
血液がうっ滞することにより起こる症状
心機能が悪くなることで血液がうっ滞し、下記のような症状が起こります。
・むくみ、体重増加
・呼吸困難
・夜間頻尿
心不全のため、血液がうっ滞すると下肢を中心にむくみが出ます。むくみがひどくなると、体重増加をきたします。また、夜間に横になると、下肢を中心にたまっていた水分が血管内に戻り、腎臓への血流量が増えます。このため尿量が多くなり、夜間頻尿につながります。肺に水が溜まると呼吸困難が起こります。症状が進行すると、横になると苦しくなる「起坐呼吸」という症状が出ることもあります。改善するためには減塩が勧められますが、原因により対応も変わります。このため、むくみが強く、呼吸困難を伴う時には早めに循環器内科を受診し精査をしましょう。

