「血圧の下が低い」原因はご存知ですか?医師が解説!

「血圧の下が低い」原因はご存知ですか?医師が解説!

血圧の下とは?

血圧の「下」は、正式には「拡張期血圧」と呼ばれます。心臓が拡張する時に血管にかかる圧力です。心臓から送り込まれた血液を溜めていた血管が元に戻り、その間にも血液が送られます。
拡張期血圧は末梢の動脈硬化とともに徐々に上昇します。しかし、さらに動脈硬化が進行して大動脈が拡張できなくなると、心臓の収縮時に大動脈に血液をため込めなくなり、拡張期血圧が低下するようになります。
身体全体に血液を送るため心臓が収縮・拡張するごとに、血圧の「上」と「下」が生まれるのです。

血圧の下の基準値

血圧の下の値は、診察室血圧では80mmHg未満、家庭血圧では75mmHg未満が正常血圧とされています。しかし、夜間では血圧が低めとなり下の血圧が70以上で高値と診断されます。このため、下の血圧が70以下 KWであっても一概に低過ぎるとは言い切れません。

血圧の上と下の差は、正常の場合は40〜60mmHgです。差が開きすぎる場合は心筋梗塞や脳血管疾患のリスクが高くなり、差が少なすぎる場合は心臓のポンプ機能が低下していると考えられます。
上と下どちらかだけを気にするのではなく、両方のバランスが取れていることも大切です。

血圧の下はいくつから高いと判断できる?

血圧の下の値も、上の値と同様に「高血圧予備軍」となる値が定められています。下の値に「正常高値血圧」はなく、「高値血圧」として分類されています。

分類 診察室血圧の下 家庭血圧の下

正常血圧(単位:mmHg) <80 <75

高値血圧(単位:mmHg) 80–89 75–84

高血圧(単位:mmHg) ≧90 ≧85

上の血圧と同じく、正常血圧では、下の基準だけでなく上の基準も満たすことが条件です。

【男性】血圧の下が低い原因

血圧の下が低い原因は、主に血管が硬くなって膨らみにくくなる状態になることです。収縮期血圧が上昇しているにも関わらず、拡張期血圧が低くなった場合には動脈硬化がさらに進行している可能性があるため気をつけなければなりません。
また、このほかに大動脈弁閉鎖不全症という病気でも収縮期血圧が高いにも関わらず拡張期血圧が低くなる現象が起こります。
ここでは、収縮期、拡張期共に低くなる低血圧について解説いたします。
低血圧は「下」や「上」に限らず、大きく本態性、起立性、二次性の3種類に分類されます。原因に合わせた適切な対策が大切です。

本態性低血圧

背景に病気などがないのに血圧が低い場合、本態性低血圧と呼ばれます。遺伝や体質によるものと考えられ、原因となる病気が見つからない場合に診断されます。

適切な血圧を保つには、バランスの良い食生活、適度な運動、十分な睡眠といった規則正しい生活習慣を心がけましょう。

起立性低血圧

自律神経が上手く働かないため、急に立ち上がった時に血管の収縮が十分に行われなくなって起こる低血圧です。血管の収縮が不十分だと心臓のポンプ機能も上手く働かず、身体の下の方に血液がたまってしまいます。
立ちくらみや失神を起こすことがありますが、症状が現れたら横になることで改善します。

二次性低血圧

病気や薬の副作用など、原因がはっきりわかっている低血圧は「二次性低血圧」と呼ばれます。
心筋梗塞、心不全などの心疾患、脳下垂体疾患、神経疾患、出血、塩分不足、下痢、飲酒などが原因として挙げられます。また、降圧剤、利尿薬、抗うつ薬などの薬の服用で生じる可能性もあります。
原因となる病気の治療が優先されますが、原因を特定して治療や薬の調整を行うことが大切です。症状が出た場合、担当医に相談しましょう。

配信元: Medical DOC

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