
織田裕二主演の連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」(毎週日曜夜10:00、WOWOW、WOWOWオンデマンド、Lemino※全7話)の第3話が3月1日に放送・配信された。志をかなえるために着々と突き進む宋江(織田)たち。その宋江を慕う林冲(亀梨和也)の言動が胸を打った。(以下、ネタバレを含みます)
■アウトローたちが“志の旗”の下に集う壮大な群像劇
中国の古典小説で、日本でも江戸時代から広く親しまれている“水滸伝”は、理不尽な世の中に抗ったアウトローたちが“志の旗”の下に集う壮大な群像劇だ。
ドラマの原作となる北方氏の『水滸伝』(集英社文庫刊)は、壮大なスケールと緻密な人間描写で熱烈な支持を集め、シリーズ累計発行部数1160万部を突破。登場人物たちの葛藤や誇り、闘志を現代的な視点で描き直し、新たな命を吹き込んだ作品となる。
主演の織田が志の下に人々が集まる梁山泊の頭領で、信頼で人を動かす宋江を演じるほか、宋江とともに腐敗した国家権力に立ち向かう、もう一人の頭領・晁蓋役で反町隆史、梁山泊のメンバーで、槍術にかけて右に出る者のいない天才武人・林冲役で亀梨和也が出演。さらに、満島真之介、波瑠、玉山鉄二、松雪泰子、佐藤浩市らが顔をそろえる。
■林冲は宋江の願いのために牢獄へ向かう
国の諜報組織・青蓮寺に捕らえられていた林冲は、滄州の牢獄へと送られるところを、晁蓋や魯智深(金児憲史)たちによって救出された。だが、晁蓋はそのまま予定通りに滄州へと向かうように言う。その目的は獄中にいる腕利きの医者・安道全(金田哲)を連れ出すこと。安道全は、宋江が拠点として望む梁山湖の砦を手に入れるため、鍵になると考えている人物だ。
晁蓋に脅された護兵と共に、無事牢獄にたどり着いた林冲。その報を聞き、護送途中で林冲を殺す企てをしていた禁軍大将の高俅(池田成志)は怒り、新たな刺客を放つ。一方、青蓮寺の幹部・李富(玉山)は「林冲は目立つ。泳がせて、どこへ泳ぎつくのか見るのも一興」と静観する構え。ただ、叛乱が高まる気配に危機感を募らせ、禁軍将校の楊志(満島)に調査を命じた。
■林冲は安道全に“物々交換”を提案
滄州の牢獄では、安道全がけがや病の囚人たちを診ていた。そこで、林冲はわざと棒を足に刺して安道全の元へ。「お前はもっと大きなものを救わなければならない。この国だ」と脱獄を勧める林冲。しかし、医術にしか興味がなく、偏屈な安道全はすぐには応じない。
そんな中、安道全と親しい囚人・白勝(柄本時生)が、安道全と一緒に脱獄させてくれるなら説得してやると告げる。盗人の白勝は、ひそかに牢獄の地図を作っていた。白勝は「ネズミ一匹出る隙間もない」牢獄であるものの、正面から脱獄する手立てを提案。槍の達人である林冲の名は、牢獄にまでとどろいており、それをも利用するのだ。
だが、腹痛に襲われた白勝が倒れ、その音を聞いてやって来た監獄の役人たちが安道全の手術用にと白勝が盗んできたナイフを見つける。白勝は懲罰房に入れられ、自分のせいだといら立つ安道全。白勝の腹の中に膿が溜まっていることも案じていた。
林冲は安道全が白勝のことを思いやるのは、「友だからだ」と言い、これが安道全を説得する機会だと読むと「俺にも友がいる。ここは牢獄だ。すべてが物々交換。もし、お前の友である白勝を助けたら、俺の友も救ってくれるか?」と問い掛けた。
■脱獄した林冲が吹雪の中、宋江の元へと目指す
「林冲、そろそろよみがえるか」。そう気持ちを奮い立たせた林冲は、安道全を従えつつ、白勝の作戦を基に自ら大声で名乗り、正面突破を図る。監獄の役人の槍を奪い、1人で幾人も相手にする間に、安道全が白勝を助け出した。
次々と役人たちを倒した林冲の前に、囚人の服を着た2人が現れる。少し前に白勝が林冲を監視するように見ていると忠告した者たちで、高俅が送り込んだ刺客だった。林冲はその2人も倒し、安道全たちと監獄を脱出。ただ、外は雪深く、厳しい天候の中を進まなければならなかった。
その頃、宋江は胸騒ぎがしたのか、林冲が魯智深に宋江に渡してほしいと託した林冲の名が書かれた木札を握り締めていた。そして、凍える寒さの中で林冲たちを待ち、それに晁蓋も「付き合う」と申し出た。
林冲の脱獄作戦、そして宋江の元に林冲ら3人は無事にたどり着けるのか。ハラハラする展開の中に、林冲が宋江を慕う思いの強さ、宋江もまた林冲を思いやり、2人の絆の深さが胸を打った。
視聴者からは「圧倒された」「木札を大事に大事にする宋江にも涙涙」「亀梨さんの林冲はみんな惚れるでしょ」「亀梨林冲の槍捌き さすがの運動神経で美し過ぎた」などの感想が寄せられた。
第3話は、他にも宋江と楊志の偶然の出会いや、叛乱の疑いをかけられて逃亡中の元禁軍武術師範・王進(佐藤)と、彼が鍛え上げた史進(木村達成)との別れなどもあった。約1時間、目が離せない密度で、見応えたっぷりの物語が続く。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

