スマホ内斜視の見た目と進み方

スマホ内斜視はどのような見た目になりますか?
スマホ内斜視は片方の黒目が内側にずれた見た目です。正面から顔を見ると、左右どちらかの瞳が中央より内側に寄っているのがわかります。軽度の場合は正面から見ただけではわかりにくく、本人が「見え方が変だ」と感じていても周囲は気付かないこともあります。しかし、進行に伴って、ご家族や友人から見ても「目が内側に寄っている」とはっきり認識できる状態になります。
スマホ内斜視の進行による経過を教えてください
初期には一時的でも、放置すると持続する斜視へ進行することがあります。スマホ内斜視は、最初はスマートフォンの使用後だけ片目が内側に寄って複視が起こり、少し休めばもとに戻るという一過性の状態で発症します。
しかし、その後も同じ生活を続けていると症状がだんだん悪化し、徐々に複視が改善しにくくなってきます。こうして急性内斜視だったものが次第に慢性化し、常に目が内側に寄てしまいます。この段階になると、両目の位置ずれをもとに戻すことが難しくなります。
スマホ内斜視の治し方

スマホ内斜視は眼科で治療することはできますか?
はい、眼科で検査と診断を受けたうえで症状に応じた治療が可能です。検査でほかの目の病気が隠れていないか、また遠視の有無なども含め総合的に調べます。
そのうえでスマホ内斜視と診断された場合、治療の第一歩はやはり原因となっているデジタル機器の使用時間を減らすことです。症状が軽ければ、スマートフォンやゲームを控えるだけでもとの正常な目の位置に戻ることもあります。しかし、改善がみられない場合や斜視の角度が大きく進行している場合には、眼科で以下のような治療が検討されます。
プリズム眼鏡による治療
視能訓練(両目で見る力を取り戻すためのトレーニング)
A型ボツリヌス毒素注射
斜視手術
いずれの場合も、まずは生活習慣の改善が治療の基本です。眼科で相談すれば、症状の程度に応じた適切な治療計画を立ててくれますので、「スマホ内斜視かも?」と思ったら早めに眼科を受診してください。
スマホ内斜視を自分で改善する方法を教えてください
スマホ内斜視はスマートフォンの不適切な使用が主な原因です。そのため、スマートフォンの使い方を見直せば、スマホ内斜視の状態を改善する場合があります。スマホ内斜視を自分で改善するためのポイントは下記のとおりです。
改善するための
ポイント
内容
距離を保つ スマートフォンの画面は30cm以上離して見る
長時間連続で使わない 20~30分おきに休憩を取り、遠くを20秒以上眺める
姿勢と環境を整える うつ伏せや横向きでの使用や暗い部屋での視聴は避ける
これらのポイントをおさえた習慣にすることができれば、スマホ内斜視の症状は改善するかもしれません。もちろん、スマホ内斜視にならないためにも、これら方法を心得ておくことが重要です。しかし、生活習慣を変えても症状が治らない場合は、プリズム眼鏡や手術などの治療を行う必要があるかもしれません。
スマホ内斜視と診断された場合に気を付けることはありますか?
はい、再発や悪化を防ぐため生活面でいくつか注意が必要です。診断されたということは、目が内寄りになる傾向がすでに生じている状態です。まず何よりもこれ以上症状を進行させないことが大切なので、スマートフォンやゲームを使う時間や頻度を見直しましょう。
スマートフォンを使用する距離や時間のルールは必ず守るべき事項です。症状が改善するまでは可能な限りスマートフォンを使わずに過ごし、本を読むにしても目を近づけすぎないよう注意します。寝転がりながらスマートフォンを見たり、暗い部屋で明るいスマートフォンの画面を見たりするのはやめましょう。このように、生活習慣に気を付けることで、目に優しい生活を送ることができます。

