
9月25日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週木曜夜10:00-11:00、BS10)。今回のゲストは埼玉西武ライオンズや東京ヤクルトスワローズで活躍し、ベストナインやカムバック賞のタイトルを獲得した強打者・鈴木健と、ダグアウトファミリーの真中満だ。MCの平井理央と堀口文宏とともに、現役時代の秘話からプライベートの素顔まで幅広いトークが繰り広げられた。
■ドラフト1位でプロ入り…真中が受けた高校時代の衝撃
埼玉県・浦和学院の出身で、早くから“怪物打者”と注目を浴びていた鈴木。甲子園でも2年生時にベスト4入りを果たすと、一気に全国区の存在となる。一方の真中は鈴木の1学年下の後輩で、栃木県・宇都宮学園の出身。浦和学院とも練習試合をしたことがあるという。
真中の高校も野球は強かったというが、当時の浦和学院はハッキリ言って格上のチーム。ある日の練習試合ではアウトが取れず、5回で試合を中止したこともあったとか。高校時代に鈴木の活躍を間近で見ていた真中は「ああいう人がドラフト1位で高校からプロに入れるんだ」と振り返り、当時の圧倒的な存在感を語った。
そんな鈴木も、2007年に20年間の現役生活を終え引退して野球解説者に。今は「犬の散歩と、孫をお風呂に入れることが一番の楽しみ」とお茶目な一面を披露しスタジオを沸かせた。プロ野球選手として厳しい世界を生き抜いた姿からは想像もつかないほど、柔らかい表情が印象的だ。
■「天才」と呼ばれた選手たち…現役時代から変わらない挑戦欲
番組中盤では「天才だと思った選手」の話題に。真中が挙げたのは、ヤクルトの黄金期を支えた古田敦也と飯田哲也の2人。いずれも練習量が少なく、それでもしっかりと結果を残していたため「練習をやらずに、サラッとできちゃうのが天才だと思う」とコメントした。
鈴木も「確かにヤクルトはそうだわ」と同意。西武からヤクルトに移籍した当初、練習量の違いに驚いたと語る場面もあった。しかし“練習量の違い”という言葉には「そう言うと“ヤクルトが弱かったのはお前らが練習しなかったから”って言われるから!」と真中がツッコみ、スタジオに大きな笑いが起こる。
さらに「今の野球知識を持って対戦したい投手は?」という質問に対し、鈴木は阿波野秀幸と野茂英雄の名を挙げる。「今対戦したら、もう少し打てたんじゃないかな」と分析し、現役時代に苦戦した投手だからこそ…と語る姿には、打者としての探究心がにじみ出ている。加えて“現役選手”では160km/hの剛速球を武器とする今井達也と平良海馬を注目投手として挙げ、時代の変化にも触れていた。
番組後半では、浦和学院時代の意外な練習環境が明らかに。野球の強豪校といえば毎日のように長時間の練習をしているイメージがあるが、当時の野本喜一郎監督は短時間で濃い練習を重視。しかも上下関係も厳しくなく、選手一人ひとりに「自分で考えさせる」指導を徹底していたという。鈴木は「バッティングに関して監督から言われたことがない」と語り、のびのびとした環境が大きな成長につながったと回顧する。
MCの平井から“良い監督の条件とは何か”を聞かれると、鈴木は「自分の意見を押し付けない」と即答。これにはヤクルトで監督・コーチを務めた真中も深く頷くばかり。真中は選手に対して「ひとつのやり方を指示するのではなく、3つくらいの選択肢を提示して選ばせるようにしていた」という実務からくる経験を語るのだった。
■鈴木がスランプ脱出のために実践したある“習慣”
鈴木はプロ入り14年目に不振に陥り、西武からヤクルトへの移籍が決まる。その後、見事に復活を果たしてカムバック賞を受賞したのだが、この裏にあったのは鈴木の“ある習慣”だった。
日々の練習内容を細かく記録することを徹底し、スランプ時には「過去の自分に聞く」ようにメモを見返していた鈴木。経験と理論を重ね合わせて結果を出し続けた鈴木の姿勢は、後輩選手にとっても大きな示唆を与えるに違いない。
今回の放送では、プロ野球選手としての豪快な一面だけでなく、その裏にある几帳面さや探究心、そして引退後に見せたお茶目な素顔も印象的だった。鈴木と真中は強打者としての華やかな成績にばかり目が行きがちだが、プロ入り後も謙虚に学び続ける姿勢こそが活躍につながったのだと感じさせられる回だった。

