そんな話題の『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』を紹介するとともに、作者であるゆっぺさんにも話を聞いた。

本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。ある日突然、父を亡くし、叔母夫婦のもとへ養子に出されることになったキヨ。そこから、意地悪な叔母(養母)の「家庭内いじめ」が始まる!徐々に家事や畑仕事を押し付けられるようになり、まだ幼いキヨにとって過酷な日々が続いていき…。


――作中ではキヨさんが家事や育児をしながら懸命に畑仕事もしていたことが描かれています。そして、年齢を重ねてもいろいろなことを頑張られているキヨさん。ゆっぺさんからご覧になって、「キヨさんの凄さ」はどんなところにあると思いますか?
キヨは、とにかくいつも何かをしている人です。体調を崩したとき以外、横になって休んでいる姿を、私はこれまで一度も見たことがありません。庭の草むしりも、もう高齢だからしなくていいよと伝えるのですが、「雑草の種が落ちたら、来年また草むしりをしないといけないでしょう。そうしたら息子たちが大変だから」と言って、やめようとしません。いつも先のことを考えながら生きている人です。
自分が亡くなったあとのことまで考えていて、葬儀で着る服や布団まで用意しています。それも自分のためではなく、残される家族が困らないようにという思いからです。周りへの深い配慮こそが、祖母の生きる原動力なのだと私は感じていて、尊敬しています。
――本作には盛り込めなかったけれど、キヨさんからお聞きになった話の中で、つらかった出来事や逆にキヨさんがすごく頑張られたエピソードなどがあれば、教えていただけますでしょうか。
キヨは、若い頃に歯科治療を受けさせてもらえなかったそうです。虫歯が悪化しても、夫から「治療費がもったいない」と言われ、30代で総入れ歯にすることになりました。そのため実年齢よりも老けて見られることが多く、本人にとってはつらい経験だったと聞いています。
けれども祖母は、自分の努力や苦労を決して人に語らない人でした。どれだけ尽くしても、自分の功績を誇ることはありませんでした。長年にわたる奉仕活動や、陰で支え続けてきた家庭や仕事での姿勢は、言葉にせずとも周囲に伝わっていったのだと思います。その誠実な生き方そのものが、多くの人の信頼を集めてきました。誰からも愛され慕われている祖母を、私は心から誇りに思っています。
父の死、養母からのいじめだけでなく戦争も体験するなど、過酷な人生を歩んできたキヨさん。その常に前向きな生き方に、感銘を受ける人は多いはず。まだの人は『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』をぜひ読んでみて。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)
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