「元気な自分」は当たり前ではない。
編集部
病気の前後で変化したことを教えてください。
遠藤さん
以前より人間が丸くなったと言われました。私は人一倍、体力も元気もあると自負していましたが、それはもはや当たり前ではないと悟りました。ギラン・バレー症候群の症状は無くなっても、筋力や体力はまだ回復していないので筋トレで早く回復させようという気持ちになりました。
編集部
つらい治療中、心の支えはなんでしたか?
遠藤さん
妻のやさしさですね。クリスマスの頃にはだいぶ元気になっていたので、妻がケーキを買ってきてくれて病室で食べました。さらに、ちゃめっ気のある妻がサンタの帽子を買ってきたので、それを被ったまま過ごしていたら、看護師さんの間で話題になったそうです。年末に退院して数日後の年始に初詣に行ったときも、神社の段差などは妻が寄り添って歩いてくれました。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
遠藤さん
手や足の力、手先の器用さなど80%くらいまで回復していると感じています。退院直後は、まだお箸がうまく使えないので外食用にフォークやスプーンのセットを持ち歩いていましたが、現在はちょっと不器用な感じはありつつも、一応すべてのものをお箸で食べられています。100%まではまだ遠い気がしますが、毎日筋トレをして体力回復を目指しています。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
遠藤さん
望むことはありません。救急で搬送されたとき、症状から即座に病名を予測し、適切に検査して迅速に診断してくれた医師にはとても感謝しています。また、夜に両腕が痛くなったのですが、痛み止めは間隔をあける必要があり使えずにいたとき、看護師さんが温かいタオルを持ってきてくれました。気持ちの問題も大きいと思いますが、そのタオルをあてたとき、とても楽に感じ、すごく救われました。その日の夜間は、タオルが冷めるたびに温かいタオルに交換し続けてくれて本当にありがたかったです。痛み止めの薬とは違った、ちょっとした思いやりに感動しました。
編集部
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
遠藤さん
力が全然入らないとき、ペットボトルのキャップを開けるのも薬を出すのも自分ではできず「自分は無力だ」と感じました。しかし、看護師さんは当たり前のように気持ちよく何でもやってくれるし、妻もいろいろと助けてくれました。病気になっても自分は一人ではありません。私を含め多くの人は今まで仕事などに必死に頑張ってきたと思いますが、闘病中は医師や看護師に頼っていいと思います。そしてしっかり前向きに回復していきましょう。
編集後記
遠藤さんのお話からもわかるように、ギラン・バレー症候群は突然発症し、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。体のわずかな違和感や動かし憎さを感じたら、迷わず医療機関を受診することが早期対応につながります。日頃から自分の体の変化に注意を払い、少しでも異変を感じたら早めの受診を心がけることが、早期診断・早期治療への第一歩です。
記事監修医師:
上田 雅道(あたまと内科のうえだクリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

