
長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『出川一茂ホラン☆フシギの会』(テレビ朝日)をチョイス。
■論理に媚びる『出川一茂ホラン☆フシギの会』
出川哲朗、長嶋一茂、ホラン千秋の3人が出演する、不思議なネタを扱うバラエティ番組、『出川一茂ホラン☆フシギの会』。2月21日放送回では、“ブレインダイブ”で知られるマジシャン、新子景視が登場。『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』から平愛梨とアルコ&ピースがゲストとして出演し、新子氏のパフォーマンスを存分に味わう。
新子氏の“ブレインダイブ”とは、相手の考えていることを読み取るパフォーマンス。とても「メンタリズム」なんかでは説明がつかないような芸当で、長く人気を博している。新子氏のファンだという出川哲朗のリアクションは無邪気な子供そのもの。それだけ魅力的なパフォーマンスなのだろう。
私なんかは性格が悪いものだから、マジックを見れば必ずそのタネを見抜いてやろうと努める(自分がやるためではなく、タネを知るためにマジックを勉強したこともある)のだが、ブレインダイブは本当にワケが分からない。出演者もグルになったヤラセだろ!と言いたくなっても、新子氏のファンである出川哲郎や、指輪を握っているほうの手を当てられてなかなか手を開こうとしなかった平愛梨の反応を見る限り、とてもそうは思えない。じゃあブレインダイブは本物か?そうだとすれば、ミュータントを研究したいと考えるあらゆる組織から逃げる羽目になっているだろう。おそらく、私には想像もできないような秘密がある筈である。パフォーマンスそのものは勿論のこと、タネが分からなくとも「とにかく可能なのである」という事実が素晴らしい。宇宙とは常に拡張され続けているのだ。
「死」という、現実の王のような悪しき存在(我々がいつか死ななければならないのは違憲である)を貫通してほしいために、あらゆる超常現象が本当であることを願うのが私の立場である筈が、めざとくトリックを見破ろうとしてしまうのは何故だろう。あ、分かった!スカしているフリして現実に尻尾を振っているのが私だからだ。ブレインダイブの必要もなく、私が論理の奴隷であることなど明らかなのだ!
■文/城戸

