そんなモヤモヤに応えてくれるオーダースーツが、ライオンとFABRIC TOKYOの共同開発で誕生した。名前は「NANOX × FABRIC TOKYO SPEED WASH ONE」。

これはただの「洗えるスーツ」ではない。ビジネスウェアとしての見栄えのよさや、軽さ、動きやすさをしっかり備えながら、いつもの洗濯機で簡単に洗える手軽さも見事に両立させている。
自分の体型にぴったりフィットするオーダーメイドというのもうれしいポイントだ。約2年をかけて「洗うこと」から逆算して作られた、まさに毎日忙しい人のための頼もしい1着に仕上がっている。
■異業種がタッグを組んだ、熱い2年間
スーツを「着る」ではなく「洗う」ことから逆算する。この発想の転換から生まれたプロジェクトの全貌が、両社代表の登壇する発表会で語られた。
「着てから洗うのではなく、洗うことに最初に重きを置いて、どうやっていい服を作ろうかと考えた」。ライオンの竹森社長は、開発の原点をそう振り返る。

実際に完成したスーツに袖を通し、「色落ちも型崩れもなく、軽く着られる」とその仕上がりを実感したという。
目指したのは、単なる時短だけではない。「自分のお気に入りの洋服を長く使い続けられる。地球にもご自身にもちょっといい、新しい習慣をご案内したい」。そんなサステナブルな視点からの思いも力強い。
一方、FABRIC TOKYOの森社長は、近年の猛暑などに伴うビジネスウェアの需要変化に触れ、「シワにならないといった機能的な要素や、ケアの大切さが消費者のなかで非常に重要になってきている」とコメント。その折に、ライオンが掲げるエコな洗濯習慣「Choose one Project」の理念と共鳴したそうだ。

森社長は「ライオンの技術力と研究所の尽力がなければ、この日は迎えられなかった」と、2年がかりの確かな歩みを感慨深げに語った。
「SPEED WASH ONE」というネーミングには、日々の大きな課題である「ケアの時短」へのストレートな答えが示されている。同時に、両社が“One Team”となって取り組んだ軌跡も込められているという。

■ワークショップから見つけた「洗うことの正解」
2024年12月、両社はまず「洗うことから考えた究極のウォッシャブルスーツ」をテーマにワークショップを開催した。グループごとのブレインストーミングで出たのは、「クリーニング級の仕上がり」「週1の洗濯でOK」「洗い方ガイド付き」といった5つのアイデア。

これらをどうひとつの商品としてまとめ上げるか。「ひとつを選ぶのではなく、どうパッケージにすれば価値の高い商品をお届けできるか。企画から生地開発に至るまで、だいぶ苦心した」。FABRIC TOKYOの土山さんは、異業種タッグならではの産みの苦しみをそう明かす。

一方、ライオン側も並々ならぬ熱量を注いでいる。
研究所の協力を仰ぎながら、実に100回以上もの洗濯実験が繰り返された。発表会では、新品の生地と30回洗った生地を比較するデモンストレーションも実施。
「どちらが洗ったものかわからないくらい、新品レベルの色合いが保てている」と、ライオンの長池さんも、その仕上がりに太鼓判を押す。

こうした妥協のない開発プロセスが、これまでの常識を覆していく。従来のウォッシャブルスーツは、おしゃれ着用の洗剤を使い、弱水流コースで優しく洗うのが基本だった。
一方、このスーツは洗濯機の「標準コース」でガシガシ洗うことができる。「NANOX one」の高い洗浄力と色あせ防止機能を活かせば、すすぎ1回で洗う仕組みだ。水流の弱さではなく、洗剤の力と生地の耐久性でダメージを抑え込む。結果として、エコや時短を叶えながら、30回洗濯した後でも「新品級」の美しさを保つスーツが完成した。
■とことん議論して生まれた専用ネット
自宅洗いのハードルを下げる工夫は、スーツ本体だけにとどまらない。購入時に付属する「オリジナル洗濯ネット」にも、世の中にないものを作るためのこだわりが詰まっている。
「折りたたみ方は2つ折りか4つ折りか。留め具はボタンか紐か。洗浄力は落ちないか。ガイドも含めて両社で密にディスカッションをした」。FABRIC TOKYOの土山さんの言葉からも、熱いやり取りが想像できる。とことん意見を交わし、ゼロから設計してたどり着いたのが今の形状だ。

会見では、ライオンのお洗濯マイスター・片木さんによる実演も行われた。「洗濯ネットを使う時にスーツをどう畳んで入れればいいのか」と悩む消費者の声に応えるべく、直感的に入れ方がわかる構造を採用したという。

ネットの表面にはイラスト付きの洗い方ガイドがプリントされていて、内側にはパンツ用のポケットとジャケットの両袖を収めるための専用ポケットが備えられている。ガイド通りにパンツを2つ折りにして収め、ジャケットの袖をポケットへ。あとはジッパーを閉め、半分に折ってボタンを留めるだけで準備は完了。自宅洗いする際の悩みのひとつを、このネットが取り払ってくれる。
■いつもの洗濯のついでにスーツを洗う
機能性スーツだからこそ、デイリーユースを想定しているという。価格は4万9800円から。
FABRIC TOKYOの土山さんは、「デイリーで着ていただくお客様がとても多い。少しでもお求めやすい価格をご提供したい」とその狙いを語る。さらに、「春夏向けの今回の商品がうまくいけば、秋冬向けにもいろいろと開発していきたい」と、今後の展開にも意欲を見せた。スーツが汚れてもいつもの洗濯と一緒に洗える安心感は、ビジネスウェアをぐっと身近なものにしてくれる。ケアにかかる時間とストレスを手放し、いつも清潔な状態を保つことができる。


発表会の終盤では、ライオンの長池さんからさらなる「時短とケア」の新発想が紹介された。共働き世帯が増え、洗濯にかける時間はなるべく削りたいのが誰しもの願いだろう。
「忙しい朝や疲れた夜、休日が洗濯で潰れてしまう。そうした悩みにも応えたい」。そこで投入されるのが、新洗剤「NANOX one 抗菌×時短」だ。最大の特徴は「すすぎ0回」という思い切った新常識。洗濯工程の約7割を占めるすすぎを丸ごとカットすることで、わずか15分で洗濯が完了する。しかも、水や電力の使用量を約半分に抑えつつ、汚れやニオイを落とす力は妥協しない。サッと洗って、しっかりキレイにする優れものだ。

さらに、洗濯機自体に対する悩みに応えるアイテム「NANOX 洗濯槽の防カビボール タテ型専用」も披露された。
実は、家事のなかでもとくに嫌われているのが洗濯槽の掃除だそう。何度やっても取りきれないカビとのいたちごっこ。その不毛な戦いに終止符を打つのが、この小さなボールだ。
使い方は、ただ洗濯機に入れっぱなしにするだけ。洗濯するたびに成分が徐々に溶け出すことで洗濯時の水が「抗菌水」へと変わり、衣類の生乾き臭を防ぎながら、洗濯槽のカビまでまるごと抑え込める。面倒な掃除の手間を減らし、見えない部分の清潔さをしっかりキープ。手入れの手間を徹底的に省きながら、清潔さは諦めない。

すすぎ0回の洗剤に、入れっぱなしの防カビボール。 そして、標準コースでガシガシ洗えるオーダースーツ。これらはすべて、毎日の「ケアにかかる時間」を減らし、暮らしに余白を生み出してくれる。

スーツだからといって、もう特別扱いする必要はない。汗ばむ日も、うっかり飲み物をこぼした時も、帰宅していつもの洗濯物と一緒に洗うだけでいい。汚れても家ですぐに洗えるなら、もっと気軽に着回せるはずだ。 特別なお手入れに悩むことなく、いつもの洗濯のついでに清潔さを保つ。そんな気楽さが、毎日のビジネスウェアにちょうどいい。
「SPEED WASH ONE」は、FABRIC TOKYOのオンラインストアおよび各店舗でオーダー可能だ。気になったら、ぜひ一度チェックしてみてほしい。
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取材・文・撮影=北村康行

