血圧測定での注意点
血圧は薬を飲む前に測定
血圧を測る際、特に朝は薬を飲む前に測ることが大切です。これは、服用している薬の効果が次に飲む時間までどれくらい持続しているかを確認するためです。薬を飲む前に測ることで、薬の効き目が十分であるか、あるいは調整が必要かを知る手がかりになります。
入浴後の血圧測定は避ける
血圧は、入浴だけでなく、運動、食事、排便、睡眠、そして精神的な緊張など、さまざまな要因で大きく変動しやすいものです。特に入浴後は、温まることで体中の血管が広がるため、一時的に血圧が低下しやすい状態となります。
飲酒直後の血圧測定は避ける
家庭で血圧を測る際の推奨される測定環境として、飲酒の前に測るか、飲酒後に測る場合は十分に時間を空けることが勧められています。これは、飲酒によって一時的に血圧が低下しやすくなるためです。飲酒直後に測定すると、実際の血圧よりも低い値が出てしまい、自分の体の正確な状態を把握できない可能性があります。
健康診断の「血圧測定」の見方と再検査が必要な「血圧測定」に関する数値・結果
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
健康診断の「血圧測定」の基準値と結果の見方
健康診断で測る血圧では、一般的に「上の血圧(収縮期血圧)」が140mmHg以上、または「下の血圧(拡張期血圧)」が90mmHg以上の場合に「高血圧」と診断されます。
血圧の値によって、状態は次のように分類されます。
• 正常血圧:上の血圧が120mmHg未満、かつ下の血圧が80mmHg未満
• 正常高値血圧:上の血圧が120~129mmHg、かつ下の血圧が80mmHg未満
• 高値血圧:上の血圧が130~139mmHg、かつ/または下の血圧が80~89mmHg
• Ⅰ度高血圧:上の血圧が140~159mmHg、かつ/または下の血圧が90~99mmHg
• Ⅱ度高血圧:上の血圧が160~179mmHg、かつ/または下の血圧が100~109mmHg
• Ⅲ度高血圧:上の血圧が180mmHg以上、かつ/または下の血圧が110mmHg以上
健康診断の「血圧測定」の異常値・再検査基準と内容
高血圧は、ほとんどの場合症状がなく、自分では気づきにくいことが多いです。そのため、「症状がないから大丈夫」と放置してしまうと大変危険です。血圧が高い状態が長く続くと、血管の壁が硬く厚くなる「動脈硬化」が進んでしまいます。動脈硬化は、心臓病(心筋梗塞など)や脳卒中、腎臓病といった重大な病気の原因となるため注意が必要です。
もし健康診断で血圧が高いと指摘されたら、まずは自宅で習慣的に血圧測定をすることをお勧めします。一度の測定で一喜一憂せず、継続して測定することが大切です。それでも血圧が高い状態が続く場合は、医療機関を受診して医師に相談し、自分に合った治療計画を立てることが大切です。治療には、塩分を控える、適度な運動をする、禁煙・節酒をするなど、生活習慣を見直すことが基本となります。

