「血圧を測る時間」はいつがベストかご存じですか?測定時の注意点も医師が解説!

「血圧を測る時間」はいつがベストかご存じですか?測定時の注意点も医師が解説!

健康診断の「血圧」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「血圧」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脳卒中

高血圧によって動脈硬化が進行することで、脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れて出血を起こしてしまう脳出血といった、脳の血管の病気である脳卒中を起こす危険が高まります。
これらの病気では、突然片側の手足が動かせなくない、うまくしゃべれないといった麻痺症状、強い頭痛などが出現することがあります。
麻痺症状が後遺症として残ることも多く、重症な場合は命にかかわることもある危険な病気です。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る大切な血管(冠動脈)が、血のかたまり(血栓)によって完全に詰まってしまう病気です。これにより、血液が届かなくなった心臓の筋肉の一部が死んでしまい、心臓に大きな負担が罹る状態となります。
主な原因は、高血圧などの生活習慣病に伴って血管が硬く狭くなる「動脈硬化」で、進行すると血管に傷ができて血栓ができやすくなります。
広い範囲の心臓の筋肉に障害がおこった場合や、治療が遅れてしまった際には死に至る可能性も高い、非常に危険な病気です。

慢性腎臓病

高血圧などの生活習慣病によって、腎臓に負担がかかることで、腎臓の機能が低下する慢性腎臓病を発症しやすくなります。腎臓の機能が低下することで老廃物がうまく排出できなくなり、体の代謝にも大きな障害が出ることがあります。

健康診断等で「血圧」を指摘された時の正しい対処法・改善法は?

最初に取り組むべき対策は、生活習慣を見直すことです。
• 塩分制限: 1日の塩分摂取量を6g未満に減らしましょう。
• 適度な運動: 毎日30分程度のウォーキングや軽いジョギングなど、有酸素運動を心がけましょう。
• 適正体重の維持: 肥満は血圧を上げる大きな原因です。BMI(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)が25未満を目指しましょう。
• 節酒・禁煙: お酒は控えめにし、タバコはきっぱりやめましょう。
• バランスの良い食事: 野菜や果物、魚などをバランス良く食べ、飽和脂肪酸やコレステロールは控えめにしましょう。
• 十分な睡眠とストレス管理: 毎日同じ時間に寝起きし、質の良い睡眠をとり、ストレスを上手に発散しましょう。
• 寒暖差対策: 特に冬場は、暖かい場所から急に寒い場所へ移動する際に血圧が上がりやすいため、室内の温度差を少なくするなど、体を冷やさない工夫をしましょう。

もし薬での治療が必要になった場合でも、自己判断で薬を中止したり、量を調節したりするのは危険です。医師と相談しながら、治療を継続することが、心臓や血管を守るために最も重要です。

「血圧を測る時間」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧を測る時間」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

時間帯によって血圧が高くなることはあるのでしょうか?

小鷹 悠二 医師

忙しいときや興奮しているような状態では血圧が高めに出ます。例えば、仕事や家事などで忙しくしている間などに測定すると高めになることが多いです。測定する場合には、前述のようにできるだけリラックスした状態で、同じような条件で測定することが大切です。

病院で血圧を測ると高くなりやすいのですが自宅で血圧を測ったほうがよいですか?

小鷹 悠二 医師

病院や健診では血圧が高くても、自宅では血圧が正常であることも良くあります。
これは白衣性高血圧と呼ばれ、緊張しやすい方などではよく見られます。このような場合、ご自宅でリラックスした状態で測る「家庭血圧」は、日頃の血圧の状態を正確に把握するために非常に大切です。特に、高血圧の診断や薬の効き目を評価する際には、家庭血圧の測定結果が優先されるべきだと考えられています。そのため、健診や病院受診時に血圧が高い、と指摘された際には、まず自宅で毎日決まった時間(起床時と就寝直前)に家庭血圧を測定することが非常に重要です。その記録を医師に見せることで、早期の診断や適切な治療方針を立てることができます。

自宅で血圧を測るときは毎日同じ時間に計測すべきですか?

小鷹 悠二 医師

ご自宅で血圧を測る「家庭血圧」では、毎日決まった時間に測定することが非常に大切です。これにより、一時的な体調や環境による血圧の変動に惑わされず、日頃の血圧がどのように変化しているかを正確に把握しやすくなります。理想的な測定時間は次の通りです。
• 朝: 起床後1時間以内に排尿を済ませ、朝の薬を飲む前や食事の前に測りましょう。
• 夜: 就寝前に測りましょう。
この記録は、医師が患者さんに合った治療方針を考える上で、とても役立つ情報となります。

まとめ 「血圧を測る時間」は朝と夜

血圧の測定は、高血圧の診断をする、適切な治療を行う上で非常に重要です。健診などで血圧が高いとされた際には、まず自宅で朝の起床時と就寝直前の血圧を習慣的に測るようにしましょう。自宅血圧が高い場合には、医師と相談して適切な診断と治療を受ける必要があります。高血圧は自覚症状が全くないことが多いため、放置せずに対応することが健康を守るうえでとても大切です。

「血圧」の異常で考えられる病気

「血圧」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)

慢性腎臓病

大動脈瘤、大動脈解離

閉塞性動脈硬化症

脳神経系の病気

脳卒中(脳梗塞、脳出血など)

高血圧は動脈硬化を引き起こすことで多くの臓器に影響を与え、さまざまな病気の原因となるため注意が必要です。

「血圧」と関連する症状・関連する症状

「血圧」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

頭痛

めまい

肩こり

基本的には、血圧が高くても症状がないことが圧倒的に多いです。それでも極端な高血圧では、上記のような症状も出現することがありますが、血圧と関連なく出現しうる症状のため、それだけで診断することはできません。

参考文献

血圧検査|予防医学学会

高血圧|日本臨床内科医会

高血圧|厚生労働省

配信元: Medical DOC

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