目の前の大事な瞬間を逃して
電話を終えて会場に戻った時には、息子の「将来の夢」の発表が終わっていました。心から楽しみにしていたその瞬間を見逃してしまったことが、私の胸に重く残りました。会場の拍手の余韻だけが残る中、私は何事もなかったかのように席に座り直しました。当時は「まあ、仕方ない」と自分に言い聞かせ、心の中で「家族を支えるために働いているんだ」と正当化することで、込み上げる申し訳なさを必死に抑え込んでいたのだと思います。
後悔と学び
時が経つにつれて、後悔の気持ちがどんどん増していきました。仕事は後からでも取り返せるかもしれませんが、あの瞬間は二度と戻ってこないのです。写真には残るけれど、心の中に肝心な場面が欠けていることに気づいた私は、形だけ出席しても思い出にならないことを痛感しました。あの時、私は何よりも大切な「今」を見逃してしまったのです。

