いびきが原因で発症しやすい脳疾患
いびきを放置することでリスクが高まる具体的な脳の病気について解説します。
脳梗塞
脳の血管が詰まる病気です。いびき(特に睡眠時無呼吸症候群)がある人は、ない人に比べて脳梗塞のリスクが2〜4倍になると言われています。 前述の通り、動脈硬化によって血管が徐々に狭くなって詰まるタイプ(アテローム血栓性脳梗塞)と、心臓にできた血栓が飛んできて詰まるタイプ(心原性脳塞栓症)の両方のリスクを高めます。特に朝方の起床前後は、血圧の変動や血液の固まりやすさが変化するため発症しやすい時間帯ですが、睡眠時無呼吸症候群があると睡眠中の発症リスクも高まります。
脳出血
脳出血(脳内で血管が破れる脳卒中)やくも膜下出血(脳動脈瘤が破裂する脳卒中)も、いびきによってリスクが高まる可能性があります。脳出血やくも膜下出血の最大の原因は高血圧ですが、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは息が止まるたびに血圧が乱高下するため、弱くなった脳の血管がその圧力に耐えきれず破裂してしまうことがあります。
一過性脳虚血発作(TIA)
一過性脳虚血発作(TIA)は「脳梗塞の前触れ発作」とも呼ばれます。一時的に脳の血管が詰まりかけますが、短時間(数分〜24時間以内)で血流が再開し、症状が消えるものです。 「手足がしびれたがすぐに治った」「言葉が出にくかったが治った」といって放置するのは非常に危険で、「近いうちに本格的な脳梗塞が起こる」という警告と捉えてください。TIAを起こした後、適切な治療をしないと、高い確率で本物の脳梗塞を発症します。
「脳卒中といびき」についてよくある質問
ここまで脳卒中といびきなどを紹介しました。ここでは「脳卒中といびき」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
脳梗塞のいびきの特徴について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
脳梗塞を発症した際のいびきは、通常のいびきとは明らかに異なります。脳梗塞によって意識を失うと喉の筋肉が緩み、舌が気道を塞いでしまいます。そのため、普段はいびきをかかない人でも突然大きないびきをかくことがあります。しかも刺激しても目を覚まさず、呼びかけにも反応しない場合、そのいびきは脳梗塞による意識障害が原因と考えられます。呼吸も不規則になり、深い呼吸と無呼吸を繰り返す異常なパターン(チェーンストークス呼吸)に陥ることも特徴です。このように脳梗塞が疑われるいびきの様子を確認したら、直ちに救急車を呼んで医療機関へ運ぶ必要があります。

