20〜40代でも、大腸の病気は決して他人事ではありません。若年層の大腸がんやポリープの発見例は年々増加し、症状が出にくいため発見が遅れがちです。「若いから大丈夫」と思わずに腸の現状を知ることが、自分の健康を守るための第一歩になります。今回は、大腸カメラの必要性について、かなもり内科婦人科クリニックの金森先生に詳しく教えてもらいました。
※2025年12月取材。
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監修医師:
金森 瑛(かなもり内科婦人科クリニック)
2012年獨協医科大学医学部医学科卒業。獨協医科大学病院 臨床研修医。2014年獨協医科大学 内科学(消化器)講座。2016年足利赤十字病院 内科、2019年同院 内科 副部長。2022年独立行政法人国立病院機構宇都宮病院 消化器病センター医長・内科系診療部長、2024年獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 講師。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医。
20〜40代に大腸カメラが必要な理由
編集部
大腸カメラは、高齢者が受けるものというイメージがあります。20〜40代にも必要ですか?
金森先生
はい、必要です。近年、20〜40代の若年層における大腸がん患者の増加が世界的に問題になっています。生活習慣の変化、ストレス、食生活の欧米化などが背景にあると考えられており、早期の大腸がんや、がんに至る確率の高いポリープを見つけるには、大腸カメラが最適です。
編集部
大腸がん以外の病気が見つかることはあるのでしょうか?
金森先生
もちろんあります。炎症性腸疾患などさまざまな病気があり、これらは症状だけでは診断することが困難です。そのため、大腸カメラが必要といえるのです。
編集部
特に受けた方がよい人を教えてください。
金森先生
家族に大腸がんや大腸ポリープの既往がある人は、一般の人よりも早期の大腸カメラ検査が推奨されます。また、クローン病や潰瘍性大腸炎など、炎症性腸疾患の家族歴がある場合も注意が必要です。血便、腹痛、下痢、便秘などの症状が続く場合も、年齢に関わらず早めに受診してください。
編集部
自覚症状がなくても検査してよいのですか?
金森先生
検査して構いません。むしろ、無症状の段階でこそ大腸カメラを受ける価値があります。大腸がんは、症状が出る頃には進行しているケースが多い病気で、早期発見するためにも、できるだけ早く大腸カメラを受けることが重要なのです。先ほど挙げた条件に該当する人は、気になる症状がなくても検査することをおすすめします。
大腸カメラで見つかる病気とは?
編集部
若い世代の人が大腸カメラを受けると、どんな病気が見つかることがあるのですか?
金森先生
大腸カメラで見つかる代表的な病気には、大腸ポリープや大腸がんのほか、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、痔核があります。特に、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群は10〜30代の若年層にも多く見られるため、年代に関わらず注意が必要です。
編集部
ポリープは若い人にもできますか?
金森先生
できます。遺伝的な背景や生活習慣が影響し、20代でも腺腫性ポリープ(がんの芽)が見つかることがあります。大腸カメラなら、その場で切除でき、がん化を防ぐことができます。
編集部
若くても、大腸がんが見つかることもあるのですね。
金森先生
あります。一般に大腸がんは、40代以降から発症率が上昇するとされていますが、若い人でも大腸がんになるケースはあります。「若年性大腸がん」は進行が速いこともあり、症状が出てから受診すると進行期で見つかることも少なくありません。大腸がんは、早期で発見できれば完治を見込めるがんです。だからこそ、若い世代が受ける大腸カメラの価値は高いといえるのです。

