甲状腺疾患は、その症状が非常に多岐にわたるため、他の病気と間違えられることもあります。早期の診断と治療で症状の改善が期待できるため、気になる症状があれば早めに専門医に相談することが推奨されます。バセドウ病と橋本病のそれぞれの初期症状や見逃しやすいサインについて、薗田先生にお聞きしました。

監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)
日本医科大学卒業後、東京臨海病院初期研修、東京都済生会中央病院勤務を経て、2023年そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院を開院。高校時代、糖尿病になり苦しんでいる父親を救いたいという思いから糖尿病専門医を志す。外来診療で伝えきれないダイエットや血糖値改善のための食事や運動の方法を親しみやすい医師「血糖おじさん」としてYouTubeやInstagram、書籍、メディアを通じて広く情報発信している。日本内科学会内科認定医。日本糖尿病学会糖尿病専門医。
編集部
バセドウ病や橋本病は、どのような症状に注意したらいいのでしょうか?
薗田先生
まずバセドウ病の場合には、以下の症状が表れます。何もしていなくても動悸が激しい
汗が多い
暑がりになってきた
手が震える
細かい文字が書きにくい
体重が理由なく減ってきた
身体に力が入らなくなってきた
疲れやすくなってきた
長期間、下痢症になってきた
微熱が続いている
イライラする
眠れなくなってきた
目が飛び出てきた
首が腫れてきた
月経が来なくなった
月経周期が不順になった
不妊
編集部
橋本病についてはいかがですか?
薗田先生
以下の症状がみられることが多いとされています。足がつりやすい
皮膚にかゆみを覚えやすい
乾燥しやすい
寒く感じるようになった
疲れやすくなってきた
無気力になる
体重が増えてきた
むくみやすい
便秘
月経周期が不順になった
流産
不妊
編集部
症状が非常に多岐にわたるのですね。
薗田先生
そうです。そのため、更年期障害と勘違いするケースや、橋本病の場合はうつのような症状がみられることも多いため、精神疾患と混同するケースが少なくありません。当院でも、心療内科からの紹介で受診をした患者さんを検査したら、「実はバセドウ病だった」というケースが多くなっています。
編集部
ほかの疾患と混同されることもあるのですね。
薗田先生
はい。甲状腺疾患は正確に診断し、適切に治療をすれば症状の改善を期待できる疾患です。放置すると重症化し、様々な症状が深刻になることもありますから、もし気になる症状がある場合には早めに専門医を受診し、検査を受けることが必要です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
薗田先生
甲状腺疾患の症状は多岐にわたりますが、例えば「うつっぽい」「いくら食べても太らない」「異常にお腹が空く」といった症状がみられる場合には、早めに専門医を受診しましょう。また、「脈が速い」というのはバセドウ病の典型的な症状です。病院では甲状腺のホルモン検査やエコー検査をおこなうのが一般的ですが、当院をはじめ、医療機関のなかには受診当日、それらの検査をおこなえるところもあり、結果がスピーディにわかります。特にうつのような状態が続くことは、本人にとってもつらいことだと思うので、もし気になる症状があれば、早めに専門医にご相談ください。
※この記事はメディカルドックにて≪【女性必見】甲状腺疾患になりやすい人の特徴はご存じですか? 「橋本病」や「バセドウ病」の症状も医師が解説!≫と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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