走り出した小さな背中
しばらくは問題なく遊んでいましたが、数分後、Bくんが異変に気づきます。
「ママは?」
そう言うと、公園の出口の方へ向かおうとしました。
「あ、ママは近くにいるよ」私の声は届かず走り出すBくん。
とっさに抱き止めると、彼は全力で抵抗。
大声で泣き出し、体をのけぞらせます。
私は自分の子をそばに寄せながら、必死でなだめました。
「大丈夫、すぐ来るよ」
そう声をかけながら、心の中では時計を気にしていました。
……にしても、遅い。
10分はとっくに過ぎています。
泣き止まないBくんを抱えたまま、私はただ待つしかありませんでした。
ママ友が持っていたものに、衝撃
ようやくAが戻ってきたのは、20分ほど経った頃。
彼女の手にはお砂場セットと、驚いたことにコーヒーショップのラテが。
「え……」
「ごめんごめん〜、あれ? 泣いてた?」
悪気はなさそうでしたが、その瞬間、私はハッキリ思いました。
これは“ちょっと預けた”ではすまない。
それ以来、私はAと公園で遊ぶとき、
「一度にみるのは、自分の子だけ」
そう心の中で、線を引くようになりました。
自分がムリをしない関わり方です。
ママ友との付き合いは、近いからこそ、境界線が必要なのだと知りました。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

