
幼少期から絵を描くことが好きで、現在は漫画家として活動しているアヤ(@aokitaji)さん。看護師・看護学生向け総合WEBメディア「ナース専科」で、現場のエピソードをもとにした作品を連載している。今回紹介する「『看護師』であること」は、小さな子供を遺して逝った母と、それを見送った看護師の胸中を描いた物語である。
■5歳の娘を思い続けた母の闘病生活



末期がんで闘病していたシングルマザーのBさんには、5歳の一人娘がいた。術後の化学療法のため定期的に入院し、ときおり実母が娘を連れて面会に訪れていた。看護師には気丈にふるまい、明るく接していたBさん。しかしその表情の奥に、ふとした瞬間に滲む寂しさがあったという。
やがて病状は進行し、母や娘との面会は途絶えていく。娘を育ててくれている母に本音を打ち明けられないまま、Bさんは帰らぬ人となった。限られた時間の中で、母として何を思い、何を残したかったのか。その答えは、誰にもわからないままである。
■看護師が問い続ける「自分だったら」
葬儀に参列した担当看護師は、そこでBさんの母が幼い孫の世話に奔走する姿を目にする。我が娘に寄り添いたい思いと、残された孫を守らなければならない責任。その狭間で揺れる葛藤があったのかもしれないと、看護師は想像した。
現在、その看護師は当時のBさんと同じ年齢で、子供もいるという。だからこそ「もし自分が末期がんのシングルマザーだったら、どうしてほしいだろう?」と考えることがある。不安に押しつぶされ、看護師に頼ってしまうかもしれない。Bさんとの関わりは、看護師として大切なことを教えてくれた出来事だったと振り返る。
アヤさん自身も、小さな子供がいる母親が末期がんになるという状況について問われ、「『自分だったら…』と少し考えるだけで、呼吸が乱れるほど悲しみと不安に掻き立てられてしまいます」と語る。そして「万一そのような現実を突きつけられることがあったら、そのときは子供の未来に向けて、今自分ができることを限られた時間の中でやり切りたいなと切に思います」と率直な思いを明かした。
闘病する親が抱える葛藤や愛情は、計り知れない。本作をはじめ、「ナース専科」では実際に看護師から寄せられたエピソードをもとにした漫画が掲載されている。医療現場のリアルに触れたい人は、ぜひ一読してほしい。
取材協力:アヤ(@aokitajimaru)
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