東京と神奈川に19店を展開するスーパー「文化堂」。店舗数は少ないながら、並み居る大手スーパーを押さえてヤオコーやハローズに並ぶ3期連続増収増益を果たしています。いったいどんなスーパーなのか? 実際に買い物してきました。
文化堂(写真:スーパーマーケットファン)
※2025年3月18日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
※価格はすべて税込み。
【文化堂】とは? ヤオコーの完全子会社に
東京都と神奈川県に19店を構える食品スーパー「文化堂」。店舗の8割以上が駅から徒歩5分以内という立地にある都市型スーパーです。
キャッチフレーズは「文化堂は街の冷蔵庫」。1953年に菓子店を開業したのが始まりで、69年にスーパーマーケットとして川崎店をオープンし、2025年で創業72年となります。
21年からは自社ブランドの開発も始まり、24年時点で300点に上るといいます。
店舗面積は広くないものの、「ダイヤモンド・チェーンストア」(2024年9月15日号、ダイヤモンド社)では、埼玉の人気スーパー「ヤオコー」、中国・四国・近畿地方のスーパー「ハローズ」に並び、文化堂が数少ない「3期以上連続増収増益スーパーマーケット」として挙げられています。
2020年の売上高は249億円(純利益4.38億円)、21年度は250億円(純利益4.4億円)、22年度は256億円(純利益4.5億円)と好調で、23年度は売上高258億円を突破。25年度は278億と報じられいます。
25年10月1日には、ヤオコーを擁するブルーゾーンホールディングスにより買収されることが明らかに。完全子会社となります。
【文化堂】買い物してみた!
文化堂の入口(写真:スーパーマーケットファン)
「文化堂」にやってきました。23年にオープンした町田店は、町田駅に隣接した商業ビルの1階に入っています。上階はユニクロ、GUなどが入り、バスセンターとも隣接するため人通りが多い一角です。
この日は、毎週水曜に行われているパンの3割引販売の日で、店頭にもズラリと大手メーカーの品が並んでいます。3つ4つ手に取っていく人もいて、ガヤガヤとした雰囲気の中、店員がせわしなくパンの補充に立ち回っています。
この店では、店内の混雑回避のためか、入ってすぐに「お買い回り順路→」と大きく表示が。逆走や直進しないように、右方向へ回るよう書かれています。
天井から生産者の巨大パネルが!
生鮮コーナーは、ブロッコリー(1個171円、よりどり2個で324円)をはじめ、価格は庶民的スーパーのラインで日常使いにぴったり。いちごは400円台から2,000円台まで取り揃え、高価格帯もカバーしています。
店内全体で目を引くのは、文化堂オリジナルの商品名やポップです。
商品名は「文化堂のまた食べたくなるバナナ」「文化堂がおすすめする九条ねぎ餃子」など「文化堂が(の)〜〜」と頭についているのがわかりやすく、ポップは手書きのデザインが凝っているので、ついつい読んでしまいます。
「文化堂のまた食べたくなるバナナ」(100gあたり42円)(写真:スーパーマーケットファン)
また、天井からは生産者の大きなパネルがいくつもぶら下がっていてビックリ!
商品と同じか、もはやそれ以上の熱量で生産者を推してくるパネルを読んでいると、店員による情熱的なプレゼンが聞こえてくるようです。
筆者が心掴まれたのは、「カナダ産 ハーブ三元豚」の生産者さんのパネル。 「私が大切に育てました!」とフリー素材にも見えなくもない白人男性の画像と、「輸入豚の常識を覆す逸品!」の情熱的な言葉がたまりません。
、「カナダ産 ハーブ三元豚」パネル(写真:スーパーマーケットファン)
鮮魚コーナーの「鈴木さんの銀ちゃん塩銀鮭」パネルも、「この道35年」の鈴木さんのはにかみ笑顔と言葉の説得力がすごい。
お惣菜でその「鈴木さんの銀ちゃん」を販売していたので購入決定。味わいはまろやかな塩味で、鮭のうまみがちゃんと感じられました。
この道35年の鈴木さん(写真:スーパーマーケットファン)
「鈴木さんの銀ちゃん」425円(写真:スーパーマーケットファン)

